絶滅危惧種のヤシガニを守ろう
2018.8.21
宮古島に生息するヤシガニは豊かな自然環境を構成する野生生物で、
学術的にも文化的にも価値のあるものです。
ヤシガニの数は減っていて、今では絶滅危惧種Ⅱ種に記載されています。
そのヤシガニを保護し、未来に受け継いでいくことを目的として、
平成23年にヤシガニ保護条例が制定されました。
今日はそのヤシガニ保護条例を担当されている宮古島市生活環境部環境衛生課の儀保さんと、
ヤシガニ保護区の監視員の上原さん(保護区の狩俣地区担当)のお二人のお話を紹介したいと思います。
ヤシガニ保護区のパトロールにも同行してきました!!
【宮古島市生活衛生課の儀保さん】
【ヤシガニ保護区の監視員の上原さん】
ヤシガニ保護条例ってどんな条例なのでしょうか?
この疑問には、儀保さんが答えてくれました!!
「宮古島では4ヶ所にヤシガニ 保護区があり、そこでは期間を問わず年間を通してヤシガニの捕獲が禁止されています。
保護区には看板が設置されています。また、保護区には監視員さんがいて、定期的に見回りをしています。
それ以外の保護区ではない場所でも、6〜8月の繁殖期間は大きさ問わずヤシガニを捕まえることは禁止されております。
この期間以外は、サイズによって捕まえていいサイズと、捕まえていけないサイズが決まっていて、
それに従わなけれがなりません。
(甲長8㌢未満の小型と、 12㌢以上の大型の個体は捕まえてはいけない。)
また、期間以外でも抱卵したメスは捕まえてはいけません。
条例違反者には10万円以下の罰金が科されます。」
罰金10万です。大事な島の資産ですので、みなさんしっかり保護しましょう!!
ヤシガニは減り続けていると考えられています…
ヤシガニが住みやすい環境の”海岸のすぐ側にある林”が海岸の整備などで減ってしまい、なんでも食べるヤシガニですが、大好物のアダンが減っているのもその要因だと儀保さんも、上原さんも指摘します。
ヤシガニを保護するには、海岸近くの原生林を守る事が重要という事です。
続いて現場チェック!ということで、ヤシガニ保護区のパトロールに同行させてもらいました(^▽^)
車でヤシガニ保護区を監視員さんと一緒に、見回りしてきました。
パトロールの際、ヤシガニを捕まえている人はいませんでしたが、海岸周辺だったので釣りにきている方の車が数台停めてありました。
ヤシガニの他の生物も色々!!
オカガニ!!あちこちで見れました☆
ヤシガニ!!監視員の上原さんは2年振りに見たそうです☆!!雨が降った後が出て来やすいそうです。
人気に気づいたら、猛ダッシュ!!笑
トノサマガエル?ミヤコヒキガエル?大きなカエルもいました!
【ヤシガニ保護区域に設置してある看板】
この看板のある場所周辺はヤシガニを捕まえてはいけません!
パトロール中、上原さんが寂しいそうにお話しされました。
「人の生活の変化で、野生の生き物たちの生活の場所がどうしても奪われてしまっている。。
湿地は減って水辺の生き物は減ったよ。
私は毎年、うちの庭の芝生にいろんな渡り鳥が来てくれるのが楽しみなんだ。
雨が降った後、その芝に水が溜まってね、そこに水浴びに来るんだ。
渡り鳥が休める場所を少しでも残せたらいいな。。」と。
上原さんの庭に来た渡り鳥の写真。
最後に。。
私たちの生活でいろんな生き物の居場所が減ってしまっているのだな、と再認識させられました。
生物多様性の宮古島であるために、何ができるのでしょうか。
人と動植物が共生する豊かな島をであるために。