国際サシバサミット2021宮古島
2021.11.5先月17・18日の両日、さしば中継地点であるここ宮古島で、「国際サシバサミット2021宮古島」が行われました。
このサミットは2019年栃木県市貝町で第一回、今年はオンライン開催とはなりましたが、無事、第二回が開催されました!
(去年はコロナ渦のため、1年延期)
今回はそのサミットの様子をご紹介させて頂きます(*^▽^*)!
サシバって、どんな鳥?
タカ目タカ科サシバ属に分類される鳥で、里山など人間の近くに暮らす鳥です。
4月頃、本州・四国・九州に渡来し、繁殖します。
そして秋になると、宮古島を含むいくつかの中継地点を経由しながら、東南アジアなど越冬地へと渡っていきます。
しかし、近年、里山の減少など、サシバの繁殖場所が減り、
2006年12月に改定された環境省レッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類として指定されました。
宮古島とサシバの関わり
宮古島ではかつてサシバを捕らえて食べる文化があったそうです。
(もちろん現在では、捕獲が禁止され、サシバ保護に取り組んでいます💦)
サシバの渡りの時期になると、「ツギャ」と呼ばれるサシバ捕獲用小屋をつくり、
囮のサシバを使いながら、それに誘われてきたサシバの首にワッカを引っかけて捕えていたそうです。
またシーズン中、子どもたちにはペットとして、サシバが与えられ、
子どもたちはサシバの脚に紐をつけ、遊んでいたそうです。
かつては島民の重要なたんぱく源として、子どもたちの遊び相手として
宮古島では昔からサシバと深く関わってきました。
そして現代でも、サシバをイメージして造られた宮古空港、展望台(フナウサギバナタ)など、
サシバはごく身近な鳥として、宮古島に浸透しています。
もちろん、宮古島市の市鳥も「サシバ」です(≧▽≦)!
サシバ保護の重要性
そんな身近な鳥であったのに、なぜこんなにも激減してしまったのでしょうか?
他にも減少している生物はいっぱいいるのに、なぜサシバ保護が重要と言われるのでしょうか?
サシバは、主にヘビ・トカゲ・カエルといった小動物、セミ・バッタなどの昆虫類を食べます。
生態ピラミッドの頂点に立つ生物です。
数が激減しているから、保護していかなければいけないのではなく、
サシバも他の生物と同じく、自然生態系の一員にすぎません。
しかし、サシバは食物連鎖の最終段階に位置するという点で、生態系全体がどれだけ健全かを示す存在です。
食物連鎖の下位の生物が減れば、そこから上はエサがなくなってしまうことになります。
サシバは、勇猛なハンターとして生態系のトップに君臨しているにも関わらず、自然環境の変化を最も受けやすく、生態系の中で、最も弱い生物なのです。
サシバを保護していくということは、同時に生態系そのものを保護していくということに他なりません。
サミットのご紹介
サミットでは、2日間にわたり、ポスター発表、各地からの活動報告や子どもたちの活動が紹介されました!!
▲宮古野鳥の会顧問、久貝勝盛さんによる基調講演「宮古のサシバ文化」。宮古島での昔からのサシバとの関わりをたくさん教えて頂きました!
▲劇団シンデレラさんによるミュージカル「宮古島サシバの渡り」では、宮古島に渡来するサシバや宮古島地域の生物との関わりを、楽しく分かりやすくミュージカルにして頂きました!
▲日本野鳥の会理事長 遠藤紘一さんによる基調講演「サシバも人も、地域も元気に」では、自然共生型のまちづくりに取り組んでいる栃木県市貝町の事例をご紹介頂きました!
▲野生動物画家、岡田宗徳さんによる「オンラインお絵かき教室」、サシバの書き方を楽しく教えて頂きました!
また会場にきてくれた伊良部小学校の皆さんと、鹿児島県の阿室小学校、崎原小中学校をつなぎ、子どもたち同士でも交流が行われました!
この国境なき取り組みにより、サシバ保護、ひいてはサシバを含む生態系全体が豊かを取り戻せますように・・・。
私たちから子どもたちへ、サシバサミットと共に、この保護活動が継続していくことを願っています。
サミットにご参加いただいた皆さま、事務局の皆さま、2日間本当にお疲れ様でした(*^▽^*)!
また来年もお会いできることを楽しみにしております。
ありがとうございました!!