また、この海に戻ってこよう。 ずっと、このままの姿で、 いつまでも、待っていてくれるはず。
2020.2.10また、この海に戻ってこよう。
ずっと、このままの姿で、
いつまでも、待っていてくれるはず。
初めて伊良部島を訪れた⽇。
おばあの家の近所に、⼦供の頃よく遊んだ海があるから⾏ってみよう。
島出⾝の夫にそう誘われて、向かったのが渡⼝の浜だった。
おばあの家からは歩いて10分ほど。辿り着いた海の、その透明度と⾊のうつくしさ、砂の⽩さに、感動を通り越して呆気に取られた。
⽬の前の⾵景があまりにきれいで、信じられなかった。
嘘でしょ、天国みたいだ。
そんな感想を何度も⼝にしたのを覚えている。
こんな海が⽇本にあるとは想像もしていなかった。
しかも、⺠家からすぐに歩いて遊びに来れる距離にあるなんて。
ここの島の⼦供たちは、こんなとんでもなく美しい海を⽇常にして過ごしているんだなあと思うと、何だか不思議な思いがした。
そして、夫や彼の友⼈たちが、いつかは島に帰りたいと⼝にする理由も、少しだけ分かった気がしたのだった。
あれから数年、何度か島を訪ねる度に、渡⼝の浜の変化を⽬にした。
外野にも分かるくらいに急ピッチで進む開発と、観光客の増加。
初めて訪れた時には誰も居なかったビーチは、今や⼈で溢れている。
勝⼿ではあるが少し寂しい気持ちと、でも島が潤うのが⼀番だよなあと⾃分を納得させる気持ちが⼊り混じりつつ、今年の春に移住した私は渡⼝の浜を時々散歩する。
海は、やっぱり呆れるくらいに綺麗なままだ。
変化を⽌める事はできないし、今後この島がどうなるのかは分からないけれど、海はずっと変化せずに待っていてほしい。
そう願っている。
いかがでしたでしょうか。
この作品は、セソコマサユキさんによる市民ライター講座の受講生の与那覇さんの作品です。
数年に渡って渡口の浜の変化を見てきた与那覇さん。
春から移住されたとの事で、より一層変化を肌で感じられているのではないでしょうか。
初めて渡口の浜を訪れた時の気持ちを
この先訪れる人も同じように感じられるように、
小さなことから一人一人が考えて行動できると良いですね。
素敵な記事をありがとうございます。