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2022.09.26
特集記事

サンゴと共生する島へ!諦めない心

昨年に引き続き、今年も宮古島サンゴ再生プロジェクト(※)が始動し始めました!

※このプロジェクトは、令和3年度から令和5年度までの沖縄県からの委託事業です。

昨年、移設したサンゴの赤ちゃんは元気に成長しているのでしょうか?

今年も無事にサンゴは移設できたのでしょうか?

本日はその様子をご紹介したいと思います!

 

池間八重干瀬会の副会長、原さんにお話しを伺いました。

 

昨年度はヤッコミドリイシというサンゴだったので、このサンゴの産卵に合わせ、9月に採集などを行ったのですが、今年度はウスエダミドリイシというサンゴなので、このサンゴの産卵に合わせ、5月に採集を行ったそうです。

 


▲今年度の採集サンゴ【ウスエダミドリイシ】

今回も昨年度同様、卵の有無を確認しながら、卵を持っているサンゴのみ採集し、狩俣の宮古島市海業センターの水槽の中で、サンゴが自然に産卵するのを待ちます。

しかし、見込んでいた産卵予定日を2日も過ぎてからの産卵スタートだったので、その約3日間、ずっとお世話しながら見守り、まだかまだかと待っていたとのこと。

また、移設個数も400個から1600個と4倍に増えたので、作業量も4倍となり、大変だったそうですが、多くの関係者のご協力のもと、何とか無事に海中に移設することができたそうです(*^▽^*)!

 


▲採集されたウスエダミドリの産卵の様子

 

産卵後、すぐにピンク色の卵をスポイトで集めていきます。


▲産卵されたサンゴの卵をスポイトで集めていく様子

 


▲次々と一斉に産卵が始まり、皆総出の作業

 

その後、ピンク色の卵が割れ、卵内に入っていた精子と卵子が水中に漂い始めます。

そして、受精し、数日後には赤ちゃん(幼生)となり、水中を動くようになるそうです。

この間、赤ちゃんを移したり、海水を替えたりと休む間もないお世話が続きますが、サンゴの赤ちゃんは、水中をゆっくりと泳ぎながら、自分の住処となる場所を探し、着生していきます。

このプロジェクトでは、赤ちゃんの「家」として、着床具という小さなブロックを準備し、赤ちゃんが自ら入るのをじっと待ち続けます。

 


▲着床完了!!

1つの着床具に約20個体の赤ちゃんが入っているそうです。

その後、昨年と同じ場所(池間島西側)に、そっと移設されました。


▲海中での設置作業

今後は、昨年移設したサンゴの赤ちゃんとまとめてお世話をしていくそうです。

毎月、藻の清掃などを5~6人で2~3時間ぐらい行っているとのこと。

どうか赤ちゃんたちが無事に成長できますように・・・。

 

最近は、観光客や市民の皆さまから、ダイビングの際のサンゴ保全についてのお問い合わせを頂くことがとても増え、以前よりは確実に周知理解が上がってきていることを実感しているという原さん。

各ダイビング事業者さんの意識もどんどん上がってきており、しっかりと説明をすれば、観光客・市民の方々もサンゴのことを想ってくれる前向きな方がとても多いそうなので、ぜひ、皆の想いを1つにして、サンゴを守っていきたいですね(*^▽^*)

ダイビングをする時は、美ら海連絡協議会に加盟しているショップを利用し、みんなで宮古島のサンゴ保全にご協力頂ければとお話しくださいました。これもエシカル!!

※3漁協(宮古島漁業協同組合・伊良部漁業協同組合・池間漁業協同組合)と観光事業5団体(宮古島ダイビング事業組合、宮古島マリンリゾート協同組合、宮古島ダイビング協会、池間八重干瀬会、伊良部下地島マリンレジャー組合)が結んでいる「相互理解と協力等により水産業及び海を利・活用する観光事業の振興など地域の発展並びに漁業経営の安定などに寄与するため」に締結されている宮古地域における海面の調和的利用に関する協定。「美ら海協力金」を海洋環境保全などに活用していくことや水中ブイ使用などについて定めています。

 

また、この県の委託事業は来年度で終了してしまいますが、その後は、サンゴ移植体験やサンゴのワークショップなどを開催していくそうです。

そして、それらを通じて得られた資金を活用しながら、サンゴ再生プロジェクトを継続し、これからもしっかりとサンゴを守っていくとのこと。

「サンゴを守りたい!!!!」

そんな原さんの強い想いをひしひしと感じた取材でした。

原さん、お忙しい中、ありがとうございました!!

 

 

▲池間八重干瀬会の副会長の原さん

 

※昨年度の記事はこちらからどうぞ!!

 

※この取り組みは沖縄県の水産基盤整備事業にて行っています。