千年先の、未来へ。

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Message from ecoislandエコアイランド通信

2026.09.17
お知らせ

サステナブルの、その先へ。再生型観光と宣言2.0

宮古島は、美しい海や豊かな自然、そして島ならではの暮らしを目的に多くの人が訪れる、国内有数の観光地になりました。訪れる人が増えるほど地域経済は活気づきますが、その一方で自然環境への負荷や地域住民との共生など、新たな課題も生まれています。

こうした課題に向き合う視点として、世界では「リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)」という考え方が広がり始めています🌱
環境への負荷を減らすだけでなく、訪れた場所を「来たときよりも良い状態」にして次の世代へつないでいこうという観光のあり方です。

エコアイランド宮古島宣言2.0とのつながり

エコアイランド宮古島宣言2.0では、「限りある資源を大切にすること」「生物多様性を守ること」「世界と未来につながる島を目指すこと」を柱に掲げています。

再生型観光の考え方は、この方向性と重なります。公共交通や自転車など環境負荷の少ない移動を選ぶことは、限りある資源を大切にすることにつながります。自然環境を守るルールを守りながら観光を楽しむことは、生物多様性の保全にも貢献します。そして、地域の文化や産業、人との関わりを重ねることは、訪れる人が「関係人口」として、第二の住民のように島の未来を共につくる仲間になっていくことにもつながります。

観光を通じて地域の価値を高めていくという考え方は、宣言2.0が目指す持続可能な島づくりと、根っこの部分で重なる部分があります。

サステナブル観光、その先へ

近年、「サステナブル観光」という言葉を耳にする機会が増えました。自然環境や地域文化を守りながら、観光を将来にわたって続けられるようにする考え方です。

一方で、「守るだけでは十分ではないのではないか」という視点も、大切になってきています。サステナブル観光が「観光による自然や地域への負荷をどう減らすか」を出発点とするのに対し、リジェネラティブ・ツーリズムは「観光をきっかけに、その土地が訪れる前よりも良い状態になるには、どうすればいいか」という問いから始まります。旅行者も「消費する側」ではなく、地域の回復や保全に関わる参加者として捉え直す考え方です。

もちろん、旅をすることそのもので地域が再生するわけではありません。旅先での小さな選択を重ねることで、失われかけているものを守り、少しずつ再生に近づいていく——それが目指すところです。地域の自然保全活動に参加したり、地元ガイドによるツアーを選んだり、地域で生産されたものを購入したりすることも、地域へ価値を還元する行動の一つとされています。

環境省は、良好な自然環境を地域資源として生かしながら、保全と地域活性化を両立させる観光地域づくりを進めています。観光庁の「観光立国推進基本計画」でも、「持続可能な観光地域づくり」とともに、「住んでよし・訪れてよし」に加えて「働いてよし」の観光産業を目指す方針が示されています。

(サステナブル観光そのものについては、こちらの記事でも紹介しています → https://eco-island.jp/news/260528-2/)

世界で広がる「地域を育てる観光」

リジェネラティブ・ツーリズムは、世界各地で少しずつ広がりを見せています🌍

ブータンでは、観光による経済効果だけでなく、自然環境や文化を次世代へ受け継ぐことを重視した観光政策が進められています。サウジアラビアの「Red Sea Project」では、開発と自然保全の両立を目指し、サンゴ礁や沿岸生態系への配慮を取り入れたリゾート開発が進んでいます。

日本国内でも、自然や文化を生かした体験型観光や、地域資源を活用した観光コンテンツづくりなど、地域の魅力を未来へつなぐ取り組みが各地で進められています。

宮古島で考える「再生型観光」

宮古島観光協会などで構成する「宮古島サステナブルツーリズム連絡会」では、「宮古島サステナブルツーリズムガイドライン」を策定し、「サンゴ礁などの自然環境の保全・再生と観光の両立」を目指しています。ガイドラインでは、旅行者・市民・事業者が島の自然や文化、地域の暮らしに配慮した行動を実践するための指針が示されており、持続可能な観光地づくりを推進しています。♻️

出典画像:宮古島観光協会公式情報サイト(https://miyako-island.net/sustainable/#sec3)

こうした考え方のもと、宮古島ではサンゴ礁の保全活動やビーチクリーン、環境学習、地下水保全、地域文化体験など、自然や地域社会の価値を次世代へつなぐ取り組みも数多く行われています。これらは、旅行者が地域の回復や保全に関わるという、リジェネラティブ・ツーリズムの考え方とも重なる取り組みです🤝
こうした事例に共通しているのは、「観光客を増やすこと」を最大の目的にしていない点です。地域そのものの価値を高めながら、地域と観光がともに発展していくことを目指しています。ごみを持ち帰る、地域のルールを守る、環境に配慮した移動手段を選ぶ、地域で生産された商品やサービスを利用する、こうした一つひとつの行動も地域への貢献につながります。自然環境や島の歴史・文化を学ぶ体験に参加することも、地域の価値を知り、その魅力を未来へ伝える機会になります。

地域を育む観光のかたち

観光は、地域ににぎわいをもたらし、経済を支える産業です。同時に、その魅力を未来へ引き継ぐためには、自然や文化、地域の暮らしを大切にする視点も欠かせません。

観光を「楽しむ」だけでなく「地域をより良くするきっかけ」として捉える、それが再生型観光の出発点です。宮古島には、その土台となる取り組みが、すでにいくつも根を張っています🌺へ導くことを目指す「リジェネラティブ・ツーリズム」の考え方が広がりつつあります。