Message from ecoislandエコアイランド通信
「地域をよくしたい」を、かたちに。── 宮古島千年プラットフォーム
エコアイランド宮古島の実現を、市民一人ひとりの力から育てていく。そんな思いで昨年度に発足した一般社団法人「宮古島千年プラットフォーム」が、2年目を迎えました。
今回はエコアイランド通信の取材で事務局のオフィスにお邪魔し、久貝さん、専務理事の髙原さん、事務局長の根間さんの3名に、これまでの歩みとこれからのお話をうかがいました。
そして6月、いよいよ今年度の伴走支援事業の募集がはじまります。「ちょっと地域をよくしたいな」「こんな地域課題を解決してみたい!」という気持ちがある方は、ぜひ最後まで読んでみてください✨️
一年目の歩み
久貝さんは1年目、島中の地域を訪ね、自治会長さんや役員さんに話を聞いて回りました。多くの地域で共通して返ってきたのが、「先人から受け継いできた地域行事を、今でも続けられていることが誇り」という言葉だったといいます🏮
けれど、と久貝さんは続けて「それを次の世代にどうつないでいくか。そこが、同じくらい大きな課題だと感じている地域が多くありました」と仰っていました。守りたい気持ちと、守りきれるか分からない不安。
行事のルールが多く、関われる人が限られていることも、継承が難しくなっている理由のひとつ。久貝さんは、「関わりやすいかたちにルールを見直したり、地域行事の数を整理して負担を減らしたりしながら、つないでいくことが課題だと、多くの地域が感じているようです」と話してくれました。
そうした地域の声を、ひとつのプロジェクトとしてかたちにするのが伴走支援です。たとえば伊良部・国仲自治会の島袋さんは、伴走支援を受けながら「こいのぼりまつり」を今年4月に実施。子どもたちの健やかな成長を願うとともに、地域の人々がつながるきっかけづくりとして企画された取り組みです。環境・経済・社会という3つのテーマがちゃんとそのなかに息づいているか、地域にどんな効果をもたらすかを確かめる、大切な一歩になりました。



(画像提供:一般社団法人 千年プラットフォーム)
伴走支援のテーマは、地域行事の継承だけではありません。今年度は、海岸漂着ごみの問題に向き合いながら、宮古島の美しい自然を次世代へつなぐ活動に取り組む井上美香さんや、地域のつながりや支え合いを大切にしながら、誰もが安心して暮らせる島づくりを目指す吉本光吉さんも、それぞれの思いを形にするための挑戦を進めています🌱
それぞれのプロジェクトについては、こちらから詳しくご覧いただけます。
・井上美香さん「きれいな海がある宮古島であってほしい」
https://myk-sennenpf.org/2025pj_mika/
・吉本光吉さん「だれもが、暮らしの話題を話せてほしい」
https://myk-sennenpf.org/2025pj_yoshimoto/
伴走支援って、なんだろう?
「伴走支援って、言葉だけだと分かりづらいですよね」。そう前置きして、髙原さんはこんなたとえで説明してくれました。
「マラソンで、お手伝いが必要な走者に寄り添って一緒に走る人がいますよね。手を取って、こっちの道のほうがいいかもって声をかける。あの感じなんです。主役はあくまで市民の方。私たちは黒子です」。
お金で肩代わりするのでも、代わりにやってあげるのでもなく、その人が動きやすい環境や調整を整えていく。それが、千年プラットフォームの伴走支援です。
伴走支援とは?↓
https://myk-sennenpf.org/bansoshien/
📣 【お知らせ】6月、伴走支援の募集がはじまります
今年度の伴走支援事業の募集が、6月よりスタートします。あわせて、「面談会」も開かれます。
「これってこのままでいいのかな」という、ふだんの暮らしのなかの小さな疑問。久貝さんは「些細なことでいいんです。ぜひ扉を叩いて来てもらいたい」と話します。自分の困りごとは、もしかしたらみんなの困りごとかもしれません。
「まだ何がしたいか分からない」という方も大歓迎です。1年目はその思いを言語化し、2年目には事業計画が書けるくらいに一緒に整理していく、そんな支え方をしています。
面談会は、応募を決めていなくても参加できる、とてもオープンな場。「応募する人だけではなく、市民の皆さん誰でも気軽に相談に来てほしいです!」と髙原さん。アイデアがあってもなくても、気兼ねなく足を運んでみてください😊
ローカルシンクタンク「どんな島にしたいか」を言葉にする
2年目の新しい動きが、ローカルシンクタンク構想です。設立から5年以内の実装を目指し、いまはその準備を少しずつ進めている段階だといいます。
「目的のひとつは、政策提言です」と髙原さん。宮古島市に対して、「こうしたらもっと島が豊かになるかも」という提案をしていく取り組みです。そのために何より大切にしたいのが、宮古島で生まれ育った人たちが「どんな島にしたいか」「何を守りたいか」、そして「何がいらないか」を、みんなに分かる言葉にしていくことだといいます。
「宮古島の実態を十分に理解しないまま提案をしてしまうと、かえって地域とのズレが生まれてしまうこともあると思うんです。」と髙原さん。地域外のコンサルタントによる提案ももちろん有用な内容が多いですが、宮古島で生まれ、育ってきた人達の意見がしっかり反映された調査や提言を行っていくことが重要です。「自分たちでできることは、自分たちで」。島根県の海士町(あまちょう)などの先進地も参考にしながら、その仕組みづくりを進めているそうです。
髙原さんが大切にしている考え方が、「不可逆的な開発への疑問を持つ」ということ。「戻したいと思ったときに、海岸をビーチに戻せるか。森に戻せるか。その選択肢を持っていることがすごく大事なんです」。エコアイランドは環境のことだけではなく、経済・環境・社会のバランスのこと ── そんな思いが、ここにも流れていました。
文化を、面白がりながら継承する
この春から宮古島市役所からの派遣職員として千年プラットフォームの事務局に加わった根間さんは、文化協会の活動にも携わっています。
根間さんによると、今年の市民文化祭では「私たちはどこから来て、どこへ向かうのか」というサブテーマが掲げられたそうです。文化協会も宮古島市も、それぞれ20年という節目を迎えるなかで、「みんな、そういうことを考え始めているのかなと。千年プラットフォームとも通じるものがあると感じました」と話していました。
これまでにも、友人たちと宮古島の魅力を独自の視点で発信するコラム集『読めば宮古!』(2002年、ボーダーインク)の執筆者の一人として関わった根間さん。宮古島のことを深く考える一方で、「まずは宮古を面白がること」が大切だといいます。

(左から、高原さん、久貝さん、根間さん)
「宮古を面白がりながら、宮古のことを考えていく。そういうことを、このメンバーとできたら楽しそうだなと思っているんです」🌺
島の未来について考えることは、決して難しい議論だけではありません。地域の文化や暮らしの面白さに目を向け、その魅力を共有しながら、次の世代へとつないでいく。そんな前向きな姿勢が、千年プラットフォームの活動の根底にあるのかもしれません。
活動の輪を広げる、人とのつながり
久貝さんが今年度やりたいと話してくれたのが、「こういう人が島にたくさん増えたらいいな」と思える人を取材して紹介していくこと。文化を守るために清掃活動を続ける人、美味しいものをつくって正当な値段で売り、しっかり稼いでいる人 ── ジャンルを問わず、「島を持続させるために大事な取り組み」をしている人を、もっと多くの人に知ってほしいといいます。
「いい人がいたら、ぜひ紹介してください。この人面白いよ、っていう人を!」と久貝さん。
そして髙原さんからは、こんな呼びかけも。「伴走支援を一緒にやってくれる仲間や、組織を次につないでいく後継者も探しています。お仕事という形だけでなく、一緒に何かを進める協力者という形でも関わってくれる人が増えると嬉しいです」。
最後に、髙原さんがこの組織のことをひと言でまとめてくれました。
「この組織は、エコアイランド宮古島の実現に貢献するために、行政と民間でつくった組織です。エコアイランドに共感してくださる方も、私たち千年プラットフォームに共感してくださる方も、ご遠慮なく遊びに来てください」と言っていました。
島の未来を考えることは、難しいことではなく、まずは「関わってみること」から始まるのかもしれません。宮古島を面白がり、その魅力や課題に目を向けながら、千年先へ続く島の姿をともに描いていく。そうした小さな関わりの積み重ねが、宮古島の未来を支える大きな力になっていきます🌏