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Message from ecoislandエコアイランド通信

2025.06.03
特集記事

離島シンポジウム2025(みゃーく会議)来間島のマイクログリッド施設を取材しました

離島シンポジウム2025(みゃーく会議)とは?

2025年5月15日、JTAドームにて「離島シンポジウム2025(みゃーく会議)」が、株式会社ネクステムズの主催のもと、一般財団法人電力中央研究所株式会社宮古島未来エネルギー株式会社REDERの協賛により開催されました。

本シンポジウムでは、脱炭素社会の実現に向けた全国的な取り組みが加速する中で、分散型エネルギーリソースの活用に焦点を当てています。
特に宮古島では、2018年から導入が始まったオンサイトPPA(電力購入契約)がすでに1000件を超える導入実績を上げており、分散型水素の利活用や、エネルギーの地産地消・レジリエンス強化に向けた新たな取り組みも始まっています。
こうした最新の事例や現場の状況、そして持続可能な地域エネルギーの未来像についての報告やプレゼンが行われ、今年も多くの関係者が来場し盛り上がっていました!!

災害時も安心!来間島の電力システム

翌日の5月16日には、関連施設を巡る視察ツアーが行われ、現地の最新技術や運用状況を直接確認できる貴重な機会です。

来間島では再生可能エネルギーを最大限に活用し、災害時にも電力供給が可能な「マイクログリッド」の実証が進められています。この実証は、エコアイランド宮古島の脱炭素先行地域の象徴とも言える取り組みで、世界的にも注目を集めています。
このマイクログリッドというシステムは、地域単位で自立的に電力を供給できる仕組みで、台風や停電といった非常時にも機能する強靭なインフラとして注目されています。

地域の暮らしに寄り添いながら、太陽光発電と蓄電池を活用した持続可能な電力モデルの構築を目指す来間島のこの取り組みは、将来の島嶼地域におけるエネルギーのあり方を探る重要な試みです。

800kWhの蓄電池と太陽光発電で地域の電力を支える

来間島には、800kWhのパワーパック型蓄電池が設置されています。
平常時は太陽光発電から充電された状態でスタンバイされ、系統電力のバランス調整にも使われていますが、災害時には即時の電力供給源として活躍します。
非常用としてディーゼル発電機も設けられていますが、主力はあくまで再生可能エネルギーです。
800kWhの蓄電池により、来間島ではおよそ3時間程度の電力供給が可能と見込まれています。

加えて、島内全域には約200kW相当の太陽光発電設備が分散して設置されており、独自の配電網マイクログリッドによって電力の最適運用を実現しています。
現在、このマイクログリッドの運用管理は沖縄電力と宮古島未来エネルギーが担当しており、電力契約などは従来通りです。

これらの仕組みが島内のエネルギー需給のバランスを取りながら、持続可能な暮らしを支えています。

試験と実際の運用

これまでに一度、電力需要が少ない時期を選び、住民や宿泊施設などと連携して意図的な停電試験が行われました。
停電試験時には住民の電力利用に制限は設けられず、住民は普段通りの生活を送ることができました。

この蓄電池は自動起動機能(ブラックスタート)を備えていないため、今後はリモート起動などを見据えて、さらに改善されていく予定だそうです。

昨年、実際に来間島で未明に停電が発生した際には、午前9時から昼頃までマイクログリッドが稼働
島の生活を支える電力供給が継続され、「実際に使える仕組み」であることが確認されました!

最先端の技術を柔軟に取り入れていくことも、持続可能で災害に強い島づくりにはとても大切なこと。
今後もエコアイランド通信でレポートしてみたいと思います!