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Message from ecoislandエコアイランド通信

2024.12.09
特集記事

宮古島の持続可能性と地下水

近年、観光産業が島の経済を支える重要な要素となっている宮古島。しかし、その一方で今後の「水不足問題」を心配する声があることも事実です。
宮古島市では、地域の状況に応じて政策を柔軟に見直し、地下水保全の計画も随時更新しながら、皆さまの大切なライフラインを守る取り組みを進めています。
エコアイランド宮古島公式サイトでは、地下水について幾度となく取り上げてきましたが、
今回は、そんな水の問題について調査した民間のシンクタンク「りゅうぎん総合研究所」のレポートをご紹介します。

レポートによると、2030年度には今の浄水場の給水能力を超えて水不足になるおそれがあると報告されており、今後の観光開発のあり方を見直す必要性があるとする内容です。

宮古島は河川や湖沼がないため、生活用水や農業用水のほとんどを地下水に依存しています。生活用水は主に白川田水源地と11カ所の井戸から取水し、浄水場で処理された水が島内全域に供給されています。
一方で、観光客の増加に伴い生活用水の需要が年々増加しており、特に飲食店やホテルなど営業用水が急増。

現在、宮古島市では伊良部浄水場の再稼働や新たな水源開発を計画中ですが、ホテル等の開業も増えており、給水希望が多くなってきています。

レポートでは、宮古島が抱える地下水の問題として、以下の3つの大きな課題があります。

1. 需要と供給のバランスの調整

観光客の増加に伴い、水の需要が大幅に増えています。特に、高級リゾートホテルの開発によって、プールや浴槽など大量の水を使用します。宮古島の地下水は雨水に大きく依存しているため、降水量減少がさらなる負担になる可能性。また、農業用水も地下水に頼っているため、生活用水と農業用水の配分をどう調整するかも今後の大きな課題としています。

2. 老朽化した施設や設備の問題

宮古島の水道管や浄水場などのインフラ設備は、老朽化が進んでおり更新が必要で、増加する水需要に対応するためには、新しい水源の開発や浄水場の能力強化といった改革が必要と指摘されています。まさに本市では計画について見直しを随時しているとこです。

3. 財政面での課題

こうした施設の更新や新たな設備投資には多額の費用がかかります。これを賄うためには、水道料金の見直しや政府・企業からの財政支援など、資金確保のための取り組みが必要と提言されています。

とても刺激的なレポートではありますが、それだけ宮古島にとっての水、地下水は重要なライフラインで「命の水」と例えたりするほどです。

それでは私たち市民が出来ることとはなんでしょうか?
まずは節水対策ではないでしょうか?日々の暮らしの中で、水は蛇口をひねれば出るものと思い込んでトイレやシャワー、キッチンで必要以上に水を使っていないでしょうか。小さな心がけを、たくさんの人々が実行すればそれは大きな力となるはずです。
観光業界ではSDGsの観点から様々な取り組みがはじまっているところですが、節水型シャワーヘッドやプールの水循環システムなど、具体的な施策が必要とレポートされています。
エコパートナーの中には、施設内の水を循環させて2度使う取り組みなども進んでいますから多いに期待したいところです。

宮古島市の方でも、新しい水源の開発や設備の修繕について適宜、計画を練って実施に向けて進んでいます。
これらの取り組みを効果的に実施するためには、行政、観光事業者、農業関係者、市民が協力していかねければなりません。

宮古島の水を考えることは、この島の持続可能性のあり方を見直すきっかけでもあります。
ずっと続く島の未来のために。