夏の暑い日差し、有害な紫外線から肌を守るためにも日焼け止めは必須となる季節がやってきました。

たくさんのメーカーからさまざまな日焼け止めが販売されていますが、皆さんはいつもどのように選んでいますでしょうか？

PAやSPFなどの紫外線を防ぐ効果や価格、使いやすさなど、さまざまな選択があり、時には迷ってしまいますね。

 

さて、昨年の1月、ハワイ州では、オキシベンゾンとオクチノキセートという紫外線吸収剤を含む日焼け止めの販売を禁じる法律が施行されました。

その他、フロリダのキーウエスト、カリブ海のボネール島などでも販売が禁止されています。

世界一厳しい基準とされるパラオでは、なんと１０種類（※）もの化学物質が指定され、それらを含む日焼け止めが、輸入・販売・使用ともに禁止されています。

※オキシベンゾン★／オクチノキサート★（メトキシケイヒ酸エチルヘキシル・メトキシケイヒ酸オクチルなど）／オクトクリレン★／エンザカメン／トリクロサン／メチルパラメン／エチルパラベン／ブチルパラベン／ベンジルパラベン／フェノキシエタノールの10種類（★は紫外線吸収剤）

 

このオキシベンゾンとオクチノキセートという紫外線吸収剤は、現在、多くの日焼け止めに使われていますが、これらの成分が海洋生物やサンゴ礁に悪影響を及ぼしているという研究結果が報告され、近年、問題となっているサンゴ礁の白化現象や海洋生物の遺伝子損傷などの原因のひとつと言われています。

 

また、宮古島でも池間八重干瀬会が「日本最大のサンゴ礁をまもる７つのルール」を発表し、その中で、サンゴに有害な成分を含まない日焼け止めの使用を呼び掛けています。

 

 

そんな中、以前（2019年、2021年）もご紹介させて頂いた地域課題解決に取り組むヤラブの木さんが、宮古島産タマヌオイルを使った環境に有害な成分を含まない日焼け止め「美しい海を守るタマヌオイルの日焼け止め」の発売を開始されたということで、早速、お話をお伺いしてきました！

 

 

Q1.　サンゴ礁や海の生物に影響を与える紫外線吸収剤や、石油由来の防腐剤などの成分をまったく使用しない日焼け止めを作りたいと3年前から考えていたということですが、製品化するにあたって工夫した点や苦労したことがあれば教えて下さい。

環境に有害な成分を使用せずに作ると、肝心の紫外線を防ぐ効果が低くなってしまったり、また、白浮きしたり、ダマになってしまったりと使用感も悪くなってしまうので、それらを解決していくために、何十回もの試作を繰り返し、商品開発に3年もかかってしまいましたが、ようやく日焼け止め効果、使用感、共に納得のいく日焼け止めの製品化にたどり着きました。

 

Q2.　お客様のご反応はいかがでしたか？

紫外線吸収剤は、人によっては肌が乾燥したり、かゆくなったりすることがあります。なので、特に肌の弱い方からは、とてもご好評いただいています。

今後は、ダイビングショップや観光客の皆さまにも周知を図り、島の環境を守っていくことにつなげていきたいです。

 

Q3.　この商品を考えたのは主にどのような理由でしょうか？

もともと2018年にヤラブの木をスタートさせた理由が、「島の環境を守る、美しい自然を残していきたい、木を植えて、森をつくって、海を守りたい」ということでスタートしましたので、環境に有害な成分を含まない日焼け止めをつくりたいという想いは、当初からずっとありました。

 

Q4.　三輪様が、タマヌオイルの商品開発を通じて、実現したいこととは、主にどのようなことでしょうか？

１つ目は「島の自然を今より豊かに」、２つ目は「島に仕事をつくる」です。

ヤラブの木では、宮古の海を守るため、ヤラブ（※）などを植林し、海岸林の再生のための活動や、その実から採れる良質なタマヌオイルを商品化することで、おじいおばあや島の若い人たちの仕事を作り出すという地域課題解決の取り組みを行っています。

この環境に有害な成分を含まない日焼け止めの商品開発により、島の自然をより豊かにしながら、島に仕事を生み出すという２つの目標を同時に実現していくことができるものと考えています。

※ヤラブ・・・沖縄の方言でテリハボクのこと。根が地中深く入っていく直根性のテリハボクは、台風にも強いため、防風林・防潮林として植えられることも多い。

 

▲ヤラブの木：三輪智子様

 

環境にも人にも優しく、地域貢献にもつながる・・・、

ぜひ、そんなエシカルな選択をしてみませんか？

 

お忙しい中、取材にご対応頂いた三輪様、ありがとうございました！！