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Message from ecoislandエコアイランド通信

2021.12.31
お知らせ

地域共生の大きな渦を巻き起こせ!!

以前にも取材させて頂いたヤラブの木さんの「タマヌオイルプロジェクト」

今月、第9回グッドライフアワードにて、なんと実行委員会特別賞である「エシカル賞」を受賞されたということで、

改めてお話を伺いに行ってきました(*^▽^*)!

 

 

三輪さんたちが池間島に移住したのは2012年、池間島で地域福祉を行っていた知り合いの方に誘われたのがきっかけだったそうです。

その後、さまざまな島おこし・地域づくりに取り組みましたが、若者たちを島に呼び戻す産業を作り出すまでには至らず、大きな課題となっていました。

在来樹種による海岸林再生事業に取り組んでいた時のこと、その植樹のため、テリハボク(島方言:ヤラブ)を育てていましたが、大量に採れるこの実を何か商品化できないかと思いついたそうです。

調べてみると、この種子からはオイルが採れ、美容業界から注目を集めつつある素材であること、国内ではまだ商品化されていないことなどから、事業化のアイディアが生まれました。

そして、2018年「奪わず、壊さず、分かち合える未来」をビジョンに「ヤラブの木」を起業されたそうです。

 

▲取り出されたばかりのヤラブの種子

 

▲自然乾燥していくと徐々に色がついてくる種子

 

誰一人取り残さない社会へ

このプロジェクトにより、「ヤラブの実を割り、種子を取り出す」という仕事が地域に生み出されましたが、このことが意味するものは、ただ単に仕事が生まれたというだけではありません。

多くの人は、仕事を通じて、地域社会とたくさんの関わりをもっています。

定年しても、元気なうちは、畑仕事をしたり、趣味、友人との関わりにより、社会とつながることができます。

しかし、だんだんと年をとり、足腰が弱くなってきたらどうでしょう。

思うように外出できなくなると、次第に社会とのつながりが希薄になってきてしまうのではないでしょうか。

「ヤラブの実から種子を出す仕事」は、設備や技術を必要としないため、場所も人も選びません。

90代のおばあも大活躍です(≧▽≦)!

また、高齢でなくてもさまざまな理由により、働くことが難しかった方でも、自分のペースで仕事をすることができます。

実際にやっていくと、息子や孫たちがおばあを手伝ったり、

足腰の悪いおばあのために、知人がヤラブの実を集めてきてくれたりと、

この仕事を通じて、社会とのたくさんの関わりが生まれ、収入を得るということと同時に、「地域から必要とされる存在である」という自尊心を生み、さらなる社会参加につながっていきました。

 

島の学び

2017年から総合学習コーディネートとして池間小中学校で授業を行ってきた三輪さん。

「10年後も池間島に住んでいるか?」というアンケートをしたところ、全員が「住んでいない」と回答。

生徒たちは「島にはなにもないから」と言います。

そこで、授業は一貫して“足元を掘る”ことからはじめたそうです。

自分たちは何によって生かされてきたのか?

自分たちが島で暮らしていくために必要なことは何か?

そして、生徒たち自らが島の素材を集め、考え、話し合い、

2020年、池間島産のアダン、ハイビスカス、月桃、アロエ等を使用した化粧品を商品化しました。

300本限定販売をしたところ、なんと3日間で完売したそうです!すごい(≧▽≦)!

三輪さんは、「このような新たな希望の種を見つけ出すことが、『なにもない』という思い込みやあきらめを変えていく一助になってくれれば」とお話しくださいました。

 

 

このように、このプロジェクトの大きな特徴は、地域経済を活性化しながら、それらを地域福祉へもつなげ、同時に自然環境も守っていく。そして、さらに教育をも巻き込み、地域共生の大きな好循環を創り出していくことです。

 

三輪さんは、島のおじいあばあたちが、この仕事を通じ、社会に貢献できていることを喜んでくれていることが、一番嬉しいとお話しくださいました。

地域経済・地域福祉・自然環境・教育、さまざまに連携し、つながり、今、ゆるやかに回り出した好循環の渦。

豊かな自然の中で、誰もが幸せに暮らせる社会、近い将来、このプロジェクトが、さらにさらに大きな渦となることを期待しています!!

 

三輪智子さん、三輪大介さん、お忙しい中、ありがとうございました!!