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Message from ecoislandエコアイランド通信

2020.07.07
お知らせ

「三方よしでSDGsを」滋賀銀行が目指す持続可能な地域社会

2018年に金融機関として初めて「ジャパンSDGsアワード」を受賞した滋賀銀行さん。

地方銀行の新しい取り組みとして注目され、とあるメディアでそのお取り組みを知った編集部が、滋賀銀行さんに取材のお願いをしたところ快くお引き受け下さり、今回のZOOMでのリモートインタビューとなりました!!

お取り組みの中で特に重視しているのが環境で、お金の流れで地球環境を守る「環境金融」に力を入れているそうです。

環境金融のひとつ、 「エコプラス定期預金」は、近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」の考え方で企画された商品なのだそうです。

具体的には、伝票のいらないATMやインターネットで定期預金を預けると、削減された紙資源相当額を銀行が拠出し、貯まった資金で琵琶湖に住む絶滅危惧種のニゴロブナやワタカの放流事業に寄付されるそうです。

画期的ですね!編集部も盛り上がりました笑

こんな商品があれば預けたくなるのではないでしょうか?

 

環境経営を重要視されるという滋賀銀行さんは、環境金融の他、エコオフィスづくり、環境ボランティア活動を環境経営の3本柱としているそうです。

全国に先駆けてSDGsの目標達成に向けたさまざまな取り組みを行ってる滋賀銀行さん。

地域金融機関がどのようにSDGsを本業に落とし込んでいるのかを、株式会社 滋賀銀行総合企画部CSR室 大西佳央梨さんにお話しをお聞きしました。

▲滋賀銀行 総合企画部 CSR室 大西佳央梨さん

 


 

Q1・以前から積極的にCSR活動や環境経営に取り組んで来られたということですが、具体的にどのような事を重点的に取り組まれてきたのでしょうか。

当行は、琵琶湖畔に本拠を置く企業の社会的使命として「環境経営」に取り組んでいます。
環境金融、エコオフィスづくり、環境ボランティア活動を3本柱としており、その背景を語るうえで切り離せないのが「琵琶湖の存在」と「環境意識の高い県民性」です。
滋賀県には、県土の1/6を占める琵琶湖が存在し、そこには約60種の固有種やラムサール条約に登録されている湿地があります。
また、京阪神1400万人の生活を支える貴重な水源となっており、琵琶湖はまさに“人と自然のバランスを映す鏡”なのです。
そのような琵琶湖の存在は、我々の環境意識を高める要因となっており、1970年代後半に起こった「せっけん運動」はその象徴で、琵琶湖に大量に発生した赤潮に対する危機感から、原因とされるリンを含む合成洗剤の使用をやめて粉せっけんを使おうという市民運動が広がりました。
当行の「環境経営」が受け入れられたのは、こうした背景があったからにほかなりません。
当行は、「お金の流れで地球環境を守る」をキーワードに、1990年代後半から環境関連融資などの取り扱いを開始しました。
例えば、2005年に開始した「環境格付(PLB格付)」は、企業の環境への取り組み度合いを5段階で評価し、格付に応じて対象融資の金利を優遇しています。
また、「環境ボランティア活動」では、“いきものがたり”と名付けたストーリー性のある活動を行い、琵琶湖の生態系保全に取り組んでいます。
環境意識の高い人材の育成にもつながっており、毎回大勢が参加しています。

 


▲ニゴロブナ・ワタカ放流

 

「エコオフィスづくり」では、省エネ・省資源活動に努めています。
例えば、エネルギー使用量に相当する太陽光発電を行うことでCO2排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル店舗があります。
省エネはもちろんですが、ご来店いただいたお客さまの環境への「気づき」にしていただく狙いもあります。


▲環境配慮型店舗に設置されているスカイライトチューブ・太陽光パネル

 

Q2・環境金融の商品は、宮古島市で導入しているエコカンパニー認定制度と考え方が近く、とっても親近感が湧きますし、参考にもなりました!わたしたちもさらに取り組みをブラッシュアップしていきたいという思いに駆られました。
さて、根本的なご質問ですが、地銀としてなぜSDGsに取り組もうと思われたのでしょうか。また、その活動が認められてジャパンSDGsアワードを受賞、まわりの反応はいかがでしょうか。

「新たに始めた」というよりも、「従来からのCSRの延長線上にSDGsがある」という認識ですね。
SDGsは社会的課題をビジネスで解決することを求めていますが、これは、当行の「環境経営」の理念と軌を一にするものです。
SDGsという共通言語ができたことで、環境や社会的課題に取り組む重要性をより伝えやすくなったと思っています。
受賞をキッカケに、SDGs関連のイベントなどのゲストスピーカーとして声を掛けていただくことが増えました。(滋賀県内、同業種のみならず)
また、お取引先から「当社もSDGsに取り組みたい」というご相談も増え、SDGsを経営に取り入れるサポートを行う「SDGsコンサルティング」の件数も増えてきました。


▲滋賀銀行の取組の一例

 

 

Q3・SDGs時代、地域に求められる地銀の役割というものはどういったものだと考えてらっしゃいますか。また、SDGs関連の取り組みについて他の企業や行政との連携はされていますか?
あるいは今後されるとしたら、どのような形をお考えでしょうか。

これからのSDGs時代、銀行が求められているのは、経済の血液であるお金に「地域を良くする」流れを生み出す役割です。
そうした中、当行は、2020年2月に責任銀行原則(PRB)に地銀として初めて署名をしました。
今後はSDGsやパリ協定に整合した事業戦略と目標を設定し、地域の皆さまと対話を通じて協力し、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。
連携では、自治体や地元企業が出資して設立した地域電力会社が発行する私募型のグリーンボンドを引き受けるなどの実績があります。
この事例では、調達された資金を太陽光発電パネルの設置や地元小学校のLED化に充てられ、エネルギーの地産地消によりお金も地域で循環するという好循環が生まれています。
地方銀行は地域が衰退してしまったらダメになってしまいます。地域あっての銀行です。地域が元気であることが、わたしたち地方銀行にとって非常に重要です。

 

 

Q4・宮古島市もSDGsを推進しており、エコアイランド宣言を10年以上前にして取り組みを進めていますが、今後同じような取り組みをされている地域との連携(情報交換等)を深めていきたいと考えていますが、圏域を超えた横連携などをお考えでしょうか。

SDGsにおいても最も大切なのはパートナーシップだと思います。これまでになかったネットワークを構築し、さまざまな業種や地域と手を取り合うことで、社会を変革できるような取り組みが生まれます。
当行では、「TSUBASAアライアンス」という地方銀行の連携組織に参加しており、地域金融機関を取り巻く環境変化など共通する課題に対して情報を共有し、共に地域社会の持続可能な成長の実現を目指しています。
これからも幅広いパートナーシップで持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。
宮古島とも何か出来たらいいですね(^▽^)

 


 

今回は他地域の、それも銀行のエコ活の取材ということで編集部としても初めての試みでしたが、大変勉強になり大いに刺激を受ける内容で、ぜひとも市民の皆さんにもご紹介したい!と思いました。

長い時間、取材にご協力いただきして大西佳央梨さんありがとうございました!

滋賀銀行さんの先進で斬新のお取り組みの数々をお聞きして「さぞかし素敵な地域」なのだなあと想像ができました。

 

私たちもこの刺激を糧に、いつまでも住み続けれられる豊かな島づくりを進めていきたいと思います!!