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Message from ecoislandエコアイランド通信

2026.10.06
お知らせ

世界基準と島独自の認証から考える持続可能な観光

沖縄県では、美しい海やサンゴ礁を守りながら、地域の暮らしと観光の両立を目指す取り組みが各地で進められています。

宮古島では、2024年3月から「宮古島サスティナブルツーリズム認証店制度」が始まり、ガイドラインを実践する事業者を認証する仕組みがスタートしました。

実は沖縄県内には、もう一つ特徴的な取り組みがあります。

恩納村では、国連環境計画(UNEP)と英国の環境保全団体The Reef-World Foundationが推進する国際基準「Green Fins(グリーン・フィンズ)」を、日本の地方自治体として初めて本格導入しました。

同じ「認証を通じて海や自然を守る」という考え方でも、恩納村は世界基準を、宮古島は地域独自の基準を採用しています。

今回は、それぞれの制度の特徴を紹介しながら、持続可能な観光について考えてみます。

世界基準「Green Fins」が目指すサンゴ礁保全

Green Finsは、国連環境計画(UNEP)とThe Reef-World Foundationが推進するサンゴ礁保全プログラムです。

ダイビングやシュノーケリングなどのマリンレジャーによる環境への影響を減らすことを目的に、事業者向けの環境ガイドラインを設け、その取り組みを評価・認証する仕組みとなっています。

現在は世界14か国、およそ700のダイビングショップなどで導入されており、サンゴ礁保全に関する国際的な取り組みとして広がっています。

恩納村では2018年に「サンゴの村宣言」を行い、2019年にはSDGs未来都市に選定されました。その後もサンゴの養殖・植え付けや赤土流出対策など、サンゴ礁を守る活動を継続しています。

こうした取り組みをさらに発展させるため、Green Finsを導入し、日本の地方自治体として初めて自治体主導による本格運用を開始しました。

Green Finsでは、サンゴに触れない、餌付けをしない、アンカーによるサンゴへの影響を防ぐなど、事業者が実践すべき行動が具体的に示されています。毎年評価を受けながら改善を続けることで、環境負荷を減らし、サンゴ礁を守る仕組みとなっています。

宮古島が目指す「島全体」で取り組む持続可能な観光

一方、宮古島では島独自の「宮古島サスティナブルツーリズムガイドライン」を策定しています。

ガイドラインでは、「宮古島の貴重な自然や文化、そこに暮らす人々の生活を守り、次の世代へつないでいくこと」を理念として掲げています。

特徴的なのは、対象がマリン事業者だけではないことです。

観光客や市民、マリン事業者のほか、宿泊施設やレンタカー、観光タクシーなど幅広い観光事業者も対象としており、島全体で持続可能な観光を進めることを目指しています。

ガイドラインは次の3つの体系で構成されています。

自然環境を守る

サンゴ礁や地下水、生態系など、宮古島の自然環境を守るための行動指針です。観光客には「サンゴにノータッチマナー」の実践や、ごみの持ち帰り、海洋生物への餌付けをしないことなどが呼びかけられています。

海の安全

宮古島特有の複雑な潮流や海況を踏まえ、安全にマリンレジャーを楽しむためのルールをまとめています。ライフジャケットの着用や悪天候時の判断、適切な器材の使用など、安全管理も重要な柱となっています。

地域への配慮

地域住民の暮らしや文化を尊重し、迷惑駐車をしないことや、水を大切に使うこと、地域で作られたものを選ぶことなど、観光客にも地域への配慮を呼びかけています。

また、このガイドラインは一度作って終わりではありません。

策定段階では市民やマリン事業者、漁業者、行政などから寄せられた37件の意見を踏まえて内容が見直され、今後も社会や自然環境の変化に応じて改善を続けていく考えが示されています。

それぞれの地域課題から生まれた制度

項目恩納村 Green Fins宮古島サスティナブルツーリズム
基準国際基準地域独自の基準
主な対象ダイビング・シュノーケリング事業者観光客・市民・観光事業者全般
主なテーマサンゴ礁保全自然環境・海の安全・地域への配慮
特徴世界共通のガイドラインを活用島の課題に合わせたガイドラインを策定

恩納村では、世界共通の基準を活用しながらサンゴ礁保全に取り組んでいます。

一方、宮古島では、地下水やサンゴ礁、海の安全、地域住民の暮らしなど、島が抱えるさまざまな課題を踏まえ、地域の実情に合わせたガイドラインを整備しています。

どちらも、「豊かな自然を守りながら観光を続けていく」という共通の考えのもと、それぞれの地域に合った仕組みづくりが進められています。

一人ひとりの行動が持続可能な観光につながる

エコアイランド宮古島宣言2.0では、「美しいサンゴ礁の海を守ること」や「持続可能な地域づくり」が重要な柱として掲げられています。

宮古島サスティナブルツーリズムガイドラインも、その考え方と連動しながら策定されており、市民・観光客・事業者がそれぞれ行動を起こすことを大切にしています。

恩納村のGreen Finsは、世界で実践されているサンゴ礁保全の考え方を地域に取り入れた取り組みです。一方、宮古島では、島の自然や文化、暮らしを守るため、地域の実情に合わせたガイドラインづくりが進められています。
エコアイランド宮古島では、宮古島サスティナブルツーリズムガイドラインを積極的に発信していきます。