Message from ecoislandエコアイランド通信
追手門学院大手前中学校の研究発表会が行われました!
追手門学院大手前中学校の3年生が、学習旅行(修学旅行)の一環として宮古島市を訪問し、市役所で研究発表を行いました。

生徒たちは中学2年生時から約半年間、「エコアイランド宮古島宣言2.0」について深く学び、この宣言に込められた思いや地域の課題を探究してきたそうです。
学習の中で、生徒たちは“島外の大阪の中学生”という立場から、宮古島市に対して自分たちにできる提案は何かを考え、具体的な行動計画を立てました。
市役所での発表では、代表6チームがそれぞれの提案をプレゼンテーション形式で発表し、それ以外のチームの成果も資料として提示されました。
島外の、しかも高校生が宮古島の課題に関心を持ち提案する内容は、島に住む私たちにとって、とても新鮮です!
それでは、代表チームのプレゼンテーションをご紹介しましょう!

宮古島市に存在する絶滅危惧種と外来生物を調べてくれました。
その外来生物が及ぼす影響を考え、駆除のために市民の協力を得る方策として、以下の提案を行いました。
①ポケモンカードのようなカードを作成し、配布
②ポスターを作成する
→見つけたら市役所に通報
→捕獲
→通報者は賞金獲得!
カードやポスターは追手門学院大手前中学校の生徒が制作するなど、この提案の課題に対する解決策も提示されました。

宮古島市のごみの現状について調べてくれました。
宮古島市のごみの約7割は家庭ごみです。
ごみを減らすための取り組みとして3R( Reduce(減らす)Reuse(繰り返し使う)Recycle(再利用)の3つのRの総称)や、5R(3RにRefuse(断る)ROT(生ゴミをコンポスト)を加えたもの)、さらに大阪府の取り組みである「Osakaほかさんマップ」を紹介しました。
※プラスチックなどの使い捨て容器を“ほかさん(関西方言で「捨てない」)”ために、マイ容器・マイボトルで食料品や飲み物などを持ち帰ることができるお店・スポットを簡単に探せるウェブサイトです。
さらに、宮古島市内に回転型コンポストを設置すること、Osakaほかさんマップのようにコンポスト設置箇所がわかる「宮古スティンマップ」(スティン:宮古島方言で「捨てない」)を提案してくれました!!
コンポストによってできた堆肥を農家が活用し、野菜を育てる循環型の地域社会についても提案がありました。

地下水汚染について調べてくれました。
汚染の原因は、農薬の使いすぎ、生活用水の地下への流入、ごみの不法投棄等があげられます。
そこで、農薬使用量の削減のために
①自然農薬の使用(酢や牛乳などを原料とした防虫薬)
②身近な植物が持つ能力を使う(月桃とエタノールを混ぜた除菌薬)
というアイデアが提起されました。

次のグループは、教育環境とヤングケアラー問題について調べてくれました。
教育問題の全容
・小規模の学校の増加
・特別児童生徒の増加(待機児童)
・貧困やヤングケアラーの増加
・福祉支援を必要とする生徒の増加
・幼稚園児の基本的な技術が身に付いていない。→直接的な体験がない。
・家庭学習の習慣があまり身に付いていない(保護者があまり積極的ではない)
・学校などの施設の老朽化 など
全国的にも共通するこうした課題に対して、とくにヤングケアラーに焦点をあてた対策として、以下を提案しました。
・学校などの統廃合に伴い廃校となった建物を児童館やヤングケアラー用の施設として再利用する
・ヤングケアラーに関するイベントやシンポジウムを開催し、当事者や支援者同士の相互交流の機会を作る
・ヤングケアラーの支援に関わる人材の育成を行う
また、これらの解決策の金銭的な課題に対して、
・SNSなどを利用し募金の呼びかけを行うなど持続性について具体的な提案がありました。

宮古島の海辺に漂着するペットボトルゴミについて考えてくれました。
ペットボトルの利用を減らすために、ホテルなどにマイボトルに飲み物をいれることができる自動販売機の設置をする。
→ホテルのチェックイン時にマイボトルを渡し、ステッカーなどで好きなようにデコってもらう
→デコったボトルの写真を撮ってSNSで拡散してもらう
→マイボトルで旅がもっと楽しくなる!
コカ・コーラ社のボナクアウォーターバーや、東京建物株式会社での実証実験を紹介されました。

次に、サンゴの課題の現状と保全に関する提案です。
・海水温の上昇が原因のサンゴの白化
・台風の巨大化に伴うサンゴの破壊
・天敵のオニヒトデによる被害
→温室効果ガスの排出量を減らして、水温を上昇させずにサンゴの白化を防ぐ!
誰でもできる家庭での対策
・使っていない電化製品の主電源を切り、待機電力を減らす
・エアコンの設定温度を見直す
・部屋の電気の消し忘れをしない
・LED照明の使用
これらの問題に対する解決策として、ホテルのカードキーのような仕組みを一般家庭にも普及させることで、電力使用を抑制する方法を提案してくれました。

6チームの発表それぞれについて宮古島市役所よりエコアイランド推進課、環境保全課、衛生施設課、農政課などの部署からの講評がありました。
生徒たちの提案は、柔軟な発想と実行力に富み、地域の課題に新たな視点と可能性をもたらすものとなりました。
地域を想い、島外から学び、提案する
そんな新しい関わり方が、エコアイランド宮古島を通した関係人口づくりが広がることを願って!