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Message from ecoislandエコアイランド通信

2021.12.17
お知らせ

‎持続可能性への挑戦!Society 5.0時代の農業

みなさんは、Society 5.0という言葉を見聞きしたことがありますか?

あまり聞いたことがないという人が多いかも知れません。

日本が打ち出している、近未来の我が国のあるべき姿のことで、

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)と続いてきた変化の中で、次の社会変革を示す言葉です。

では次の社会変革とはなんでしょう^^

内閣府のサイトには「全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会。」とあります。

内閣府 Society 5.0とは

農業でいえば、高齢化による人手不足を農業用ロボットが補ったり、土壌・天候・栽培記録を人工知能により分析し生産性を向上させるなど、多くの生産工程で農家の手助け、それも革新的な手助けになることが期待されています。

農業は宮古島の基幹産業と言われています。
いわば、宮古島の持続可能性の鍵を握っている産業です。
農業分野への先端技術の実装(アグリテックといいます)は、今まで難しいとされた農業の課題解決の切り札として大きな期待がかかっています^^
持続可能な農業の文脈から、アグリテックは外せない。といったところかも知れません。

そんな期待がかかるアグリテック分野ですが、先頃、おもしろいイベントが開催されたのでレポートしたいと思います!!

それは、「共創型アグリテックイベント WWO Agri-tech Garage」というイベントで、宮古島でワーケーションを実施してきた日本IBM株式会社と株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ(KWC)、島内でテクノロジーによる地域課題解決プロジェクトを手掛けている株式会社リチャージの3社が協働で、「高齢化の問題」「勘や経験に頼る農業から脱却」「厳しい自然環境への対応」といった離島農業の課題解決の糸口を、地域の農家と共に探る「共創型アグリテックイベント」として開催されました。
また、イベントは、各社の地域貢献活動として実施しました。

 

▲株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 新規事業開発 プロダクトマネージャー 小出 範幸さん

 

当日は、マンゴー農家さんにお願いして、ハウス内の環境を探知し通知するセンサーを稼働させて、農家さんに体験いただきました。

ハウス内の温度・湿度・照度をインターネット回線を用いて、リアルタイムに携帯に通知する仕組みとなっています。

センサーの設置もハウスの骨組みに引っ掛けるだけ!!

農家のみなさんは、このようにリアルタイムに現場の環境を通知する仕組みがあったことを知らない方がほとんどで、それだけでもこのようなイベントは価値があるように思いました。

 

▲日本IBM株式会社
テクノロジー事業本部 クライアント・エンジニアリング事業本部 エンジニアリングマネージャー 平山 毅さん

 

次は、センサーから出たデータをさらに有効活用するためのプレゼンテーションが、IBMさんからありました。

世界一高精度な気象予報といわれる天候データと、画像解析技術、さらに作業状態を記録したデータを、人工知能が解析して、最適解を農家さんに通知するという仕組みです。

さらに、地域の各所にセンサーを設置すれば、そこから発信されるデータを地域の農家さんが共有化できるというアイデアも飛び出しました。

 

▲日本IBM株式会社
テクノロジー事業本部 コグニティブアプリケーション事業部 シニアITスペシャリスト 中条 真璃子さん

 

勘や経験といった職人的な知識を人口知能に継承させて、生産性の向上や省人化・省力化に取り組む為の仕組みについても、実現性を視野に具体的な手法で説明され、農家さんからは「もっと早く教えて欲しかった」「次世代の人間や、もっとたくさんの人に聞いてもらいたい」という声があがり、農家さんのアグリテックへの理解がかなり進んでいるように感じました。

アグリテックは未来の話ではなく、現実の話でもあります。

東北の事例で、農業の匠の技をデータ化し人工知能により最適化、農家として1人前になるのに10年以上かかると言われるところを2年に短縮した農家があります。

ハウス内はIT技術により環境制御をし省人化・省力化に成功し、収量2倍となり、そればブランドとなり単価も2倍になったそうです。

このように農業の世界にも大きな大きな変化が起きており、その変化は宮古島でも起き、持続可能な農業への大きなヒントをもたらしてくれるのかも知れません。

「共創型アグリテックイベント WWO Agri-tech Garage」は、そのような可能性について気付きを得られたイベントでした。このような機会が増えると良いですね!

持続可能な島づくりに向けて、農業だけでなく先端技術を用いた一次産業全体のより良い変革に期待したいところです^^