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Message from ecoislandエコアイランド通信

2025.04.28
特集記事

自然と経済の好循環へ―ネイチャーポジティブ経済移行戦略とは

2022年の生物多様性条約・COP15では、「2030年までに自然の損失を止め、反転させる(ネイチャーポジティブ)」という世界共通の目標が掲げられました。

私たちの生きる自然環境の破壊を食い止め、回復へと転じるための取り組みを強化していこうという国際社会の決意を示すものです。
具体的には、絶滅の危機にある動植物の保護、森林の再生、海洋生態系の保全などが挙げられます。

地球規模で自然破壊が進む現在、従来の経済モデルでは持続可能な未来を築くことが難しくなってきています。
そうした中で、日本を含む各国では、経済成長と自然環境保全を両立させることを目指して、自然の価値を経済に組み込み、自然の回復・再生を図りながら未来へとつなげていく「ネイチャーポジティブ経済」への転換が求められています。

注目すべきは、これは単なる環境保護にとどまらず、新しい経済のあり方として、自然環境と調和した経済活動を推進することを意味しています。

ネイチャーポジティブ経済移行戦略のビジョン

1. 生物多様性の確保とその価値の再認識

生物多様性は、食料、医薬品、水循環など私たちの生活に欠かせない資源を提供しています。これを守り、回復させることが持続可能な社会の基盤となります。

2. 自然資本に立脚した経済の実現

企業は、自然資源(森林、水、土壌など)を「自然資本」として捉え、事業活動におけるリスクや機会を理解することが求められます。これにより、リスクを減らし、ビジネスチャンスを生み出すことができます。

3. 価値創造プロセスへの自然資本の組み込み

企業は、成長の過程で自然資本の保全を中心に据え、環境負荷を軽減し、新たな価値を創出する必要があります。これが長期的な競争力を生み出します。

4. 経済活動と環境保全の共生

経済活動が環境に与える影響を最小限に抑え、自然の再生と保護を進めることで、持続可能な社会を実現します。

5. 災害リスクの低減と地域文化の保護

自然環境を守ることは、災害リスクを減らし、地域の文化や伝統を守ることにもつながります。これにより、地域社会の安定と発展を支えます。

ネイチャーポジティブ経済移行戦略は、「環境か経済か」という二者択一ではなく、「自然を活かした経済成長」を目指すというもので、エコアイランド宮古島が目指す未来像とも近く注目すべき世界の潮流ということでご紹介しました!