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2024.10.28
特集記事

サシバ飛来調査と共に歩む、宮古島の自然を未来へつなぐ挑戦

毎年秋の訪れとともに、宮古島に絶滅危惧Ⅱ類に指定されている渡り鳥「サシバ」が飛来します。本土で繁殖を終えたサシバたちは、9月中旬から南下を始め、10月の今頃には宮古島へ到着します。
今年も、10月8日(火)から21日(月)までの期間、正午から午後6時にかけて、伊良部地区の津波避難施設屋上(仲地)で調査が行われ、宮古野鳥の会、仲地さんにお話を伺って参りました!

宮古野鳥の会、仲地さん

サシバの保護活動は今年で52年目!!!を迎え、先代から受け継がれながら発展してきました。

2005年から2023年の飛来数平均が15125羽。1時間ごとの平均としては夕方に多くなる傾向があり、12〜13時は1052羽に対して16〜17時が3679羽、17〜18時が3400羽。

年ごとに観察される個体数には増減がありますが、全体としては減少傾向が続いているとのことで、仲地さんたちはこれらの結果に危機感を持ち、保護活動を行っています。

その現状を受け、伊良部島では10月を「サシバ保護月間」とし、地域で保護活動に取り組んでおり、小中学校では、俳句や短歌、ポスター制作を通じて自然への理解を深め、講話を開く機会も設けているそうです。

今後の保護活動の一環として、伊良部島に「サシバの森」を作る計画が進んでいます。この森には松の木を植え、サシバが休んだり繁殖したりできる環境を整えることを目指します。

11月からは本格的に森づくりが始まる予定とのことで、この計画により、さらに多くのサシバが宮古島に訪れることが期待されます!

サシバの保護活動は、国際的な協力も欠かせません。これまでに「世界サシバサミット」がが2019年より4回開催されており、1回目は栃木、2回目は宮古島、3回目は台湾、4回目はフィリピンで行われました。それぞれ繁殖地、中継地、越冬地として異なる視点から議論を深め、各国で保護の取り組みが進められています。仲地さんたちは自費で現地に赴き、情熱をもってこの活動に取り組んでいるんです。

食事中のメス サシバ

自然と共生する未来を目指して、地域の子どもたちの学びや国際的な連携を通じ、多くのサシバが再び空を舞う日を願いながら、一歩ずつ未来に向けた取り組みが今も行われています。

松の木が生い茂る「サシバの森」の完成が、サシバたちにとって安らぎの場所となり、再び多くのサシバが訪れる未来を切り拓いていきます。

私たち一人ひとりも、小さな行動から自然を守る一助となれるよう心がけてみましょう。

環境に優しい暮らしを意識することや、保護活動に関心を持ち、地元のイベントやワークショップに参加することなど。できることからちょっとづつですね!