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Message from ecoislandエコアイランド通信

2023.11.10
特集記事

エネルギーの地産地消へむけた宮古島市の挑戦

地方からデジタルの実装を進め新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていく「デジタル田園都市国家構想」や、デジタル技術を使うことで組織や社会に大きな変革をもたらす「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を、政府が提唱している中で、AIの急成長によりエネルギーや物流、医療、金融、教育など市が抱える膨大なデータを一ヵ所に集積し、分析が可能になるなど、今や持続可能な宮古島の実現にはデジタル技術が必要不可欠な存在となっています。

そんな中、宮古島市では、IBMが全世界で展開する社会貢献プログラムIBMサステナビリティー・アクセラレーターに採択され、持続可能な宮古島に向けた取り組みが始動しています。

 


▲国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)での様子

このプログラムは、IBMが2022年2月に開始した、世界中で複数の環境問題に取り組む社会貢献活動です。毎年5つのプロジェクトを選定し、気候変動や環境汚染、異常気象などの課題に直面している人々への支援の活動に対して、2年間無償でIBMの技術と社員のスキルによって支援し、その取り組みの強化拡大を目指すものです。 2022年10月には、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)にて、全世界で100件以上の中から選定された5件が発表されました。

そこで、日本で初めて選ばれたのは、なんと宮古島市!離島ならではの課題を解決すべく全世界の中から選ばれた、重要なプログラムなのです。

 


▲オンライン取材の様子

IBMの支援プログラムはすべてフルリモートで実施しているため、取材もオンラインで行いました。

 

 


▲エコアイランド宮古島宣言2.0(平成31年3月29日)資料引用

現在、エコアイランド宮古島が目指す持続可能な島の目標のひとつとして、エネルギー自給率があります。エネルギー供給は市民生活や事業活動を支える宮古の社会の基盤。しかしエコアイランド宮古島宣言2.0を公表したころのエネルギーはというと、離島という地理的な条件の中、約97%は島外に依存していたという状況。さらには、化石資源に依存していて、CO2排出の原因となっていました。

エネルギー自給率は、2016年2.9%だったものを、2050年に48.9%まで向上させることを目標として、再生可能なエネルギーの太陽光発電や風力発電等の導入拡大を進めています。自給率が向上することで、台風被害などの多い離島でも、エネルギーの地産地消による島内循環によって、外的要因による影響を受けにくく、安定したエネルギー供給ができるようになるということ。安心して、豊かな生活を続けるための理想的なアクションです。

 

 


▲日本IBMによる気象や気候の変化によるの影響を可視化することができるソリューションの例

再生可能エネルギーの普及には課題も多く存在します。一筋縄ではいかないことが多いのも実情。代表的なのは、島内で普及を進めている太陽光発電の場合、雨やくもりなどその日の天候によって発電量が左右されるということです。これは、自然が相手の課題。どうやっても操作することはできないのです。
そこで、宮古島市と日本IBMは、再生可能エネルギーとして太陽光発電の効率化・普及に寄与するため、高精度の太陽光発電量予測プログラムの開発と活用に取り組み始めました。

 

これは、全世界の気象予測データから作られた予測モデルを使って、同じ宮古島でも地域ごとに異なる日射量を予測する。それにより宮古島各地域の太陽光発電量を正確に試算できないかという試みです。

どのような方々が、開発に関わっているのかを伺うと、デザイナー、エンジニア、データサイエンティスト、コンサルタント、気象予報士などなど。全体のロードマップを3ヶ月ごとのプロジェクトに分けて、それぞれに必要な15〜20人のメンバーが実装に向けて課題を進めているそうです。まさに、その道のプロ集団による共創。

エコアイランド宮古島のために、これだけ多くの方々が取り組んでくださっていることに感謝感激です!

プロジェクトの成果がとても楽しみです!