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Message from ecoislandエコアイランド通信

2022.07.15
特集記事

循環型の地域経済を目指して「地域全体で取り組む地産地消」

宮古島市では、ここ数年、観光客数が急激に伸び(今はコロナで少し減少していますが)、オーバーツーリズムという声も聞かれるようになりました。

それほど多くの観光客が訪れることになれば、島にはたくさんのお金が入り、地域経済は潤うのでは!?と考えがちですが、

実際には、建設業以外の農水産業・製造業・卸売業・小売業・宿泊飲食サービス業の市内総生産は、横ばいか微増で、以前とほとんど変わっていません。(※)

※沖縄県統計課HP「平成30年度沖縄県市町村民所得(令和3年11月19日公表)」より

確かにお金は島に入ってきているはずなのに、どうして島の経済に反映されていないのでしょうか?

 

令和3年度宮古島市農林水産物流通・加工に関する基礎調査業務報告書によると、

市内での野菜・肉食・水産物の食材利用額約130億円の内、地元産は約24億円と2割以下(>_<)

市内で消費されている食材の多くが地域外産で、地元食材はあまり活用されていないことが分かりました。

 

地域経済全体を考えた時、地域外から調達すればするほど、お金は地域外へ流れていってしまうため、

このような産業構造では、いくら観光客数が伸びても、なかなか地域全体の所得向上につながりません。

観光客の方々が市内で使っていただくお金を、地域経済へ波及させていくためには、どのようにしたらよいのでしょうか?

 

そこで、宮古島市では、課題を洗い出すため、昨年度に基礎調査などを実施、

今年度より足腰の強い経済システムを目指し、

地産地消による地域内経済循環システム構築事業に取り組み始めました。

 

 

 


▲宮古島市産業振興局政策説明資料より抜粋

 

皆さんは、「地産地消」と聞いて、何を思い浮べますか?

地元のおいしい新鮮食材、生産者の顔が見える安心、CO2排出量削減にもつながって・・・。

いいコト尽くめですね!

しかし、いいコト尽くめのはずの地産地消がなかなか進まないのはなぜでしょう?

 

宮古島市産業振興局の調査によると、いくつかの課題があることが分かりました。

  1. 市内で需要のある農産物と市内で生産されている農産物が違う

  2. 安定的な供給ができていない

  3. 需要と生産に関する情報がない

 

 

このような課題があることは分かったのですが、実際にこれらを解決し、地産地消を推し進めていくことは、たやすいことではありません。

宮古島市では、まず、今年度の取り組みとして、

学校給食等への地産食材の活用に向けたコーディネート機能の構築 や
地産品認証制度の検討などを実施!!

また、今後の取り組みとして、農産物の需要・供給情報を共有できる仕組みづくりや、加工・流通機能をもった拠点の整備などを検討しているそうです。

産業振興局の担当者は「去年から地産地消推進協議会を再始動し、学校給食への地産地消の実証事業に取り組んできた。関係者からは、地産地消の意識が高まった、これまで給食に出せなかった食材(マンゴーやマグロなど)を提供できるようになり、子どもたちに喜んでもらえて嬉しかった、今後飲食店やホテルなどにも販路拡大したいなど、各方面で思っていた以上の反応を頂けた。市内の生産者や事業者、食材を利用する施設など関係者がつながって、地産地消の輪が広がっていく可能性を感じている。」とお話しくださいました。

 

 

そして本日、7月15日はマンゴーの日!

地産地消の取り組みの一環として、市内小中学校の給食に宮古島産マンゴーが登場します(*^▽^*)

地産地消を推進していくことは、CO2排出量削減、食料安全保障の確保、ひいては持続可能な島づくりにも大きくつながる取り組みです。

これを機に、ご家庭内でも地産地消について、考えていくきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

 

 

お忙しい中、取材にご対応くださった産業振興局の皆さま、ありがとうございました!

▲取材にご対応頂いた産業振興局の皆さま(中央:上地等次長、左:三上暁次長補佐、右:與那覇斉調整官 )