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Message from ecoislandエコアイランド通信

2021.09.16
お知らせ

スマート農業上陸!!

国連のSDGsの目標の1つでもある「持続可能な農業」。

持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業の実現が課題となっていますが、

従来の農業には「きつい・汚い・危険」の3Kのイメージが根強く、また長年の経験や勘に頼らざるを得なかったため、
新規参入が難しく、生産性の向上も課題でした。

そこで始まったのが、スマート農業の導入。IoT農業、アグリテックとも言われます。

いよいよ農業分野でも高速通信網が整備され、各地で技術革新が始まっています。
・IoT技術により畑のセンサーから情報を記録・集約・分析し、その分析データを基にした勘や経験に頼らない農業
・AI(人工知能)を利用した画像解析技術システムを利用したドローンなどの自動操縦の農機ロボット

例をあげればきりがありませんが、農林水産省では、「スマート農業」を「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」と定義しています。

 

そこで本日は、ここ宮古島でスマート農業を導入されている先進農家さんにお話しを伺ってきました!

 

 

IoTで実現!糖度9~10度の奇跡のトマト

 

 

まず始めに、宮古島市上野地区で、ミニトマトの栽培をされているパ二パ二ファームさん。
島内では島の駅やあたらすに出荷しているそうですが、そのトマトがすごいΣ(゚Д゚)!
普通のトマトの糖度は4~5度ですが、こちらのトマトは9~10度にもなります。
「ええぇぇぇーーーーー??」

どうしてそのようなことが可能なのか、その秘密を探るべく、取締役兼生産責任者の棗田博文さんにお話を伺いました!

 

 

(株)パ二パ二キャステムさん設立のきっかけは、親会社である(株)キャステムさん(広島県に本社を構える精密金属部品メーカー)の戸田社長さんが、「折り紙ヒコーキ協会長」を務めており、JTA宮古島ドームで開催された「折り紙ヒコーキ大会」に参加したこと。
このとき島の友人たちから、宮古島発展のための後押しの要望を受け、島のために何かしようと決意。
そして環境重視の「アイメック・フィルム農法」にたどり着いたそうです。

 

 


【取材時は今期ミニトマトが終了したタイミングでした💦】

 

このアイメック・フィルム農法は、アイメックフィルムという特殊なフィルムとIoT技術により、農薬をほとんど使わず、肥料も水も最小限のため、廃液がほとんど出ないという環境にとても優しい農法です。

またビニールや遮光カーテンの開閉はもちろん、温度、湿度、風量に至るまで、IoT技術を用いたシステムで自動制御されています。
液肥もトマトの生育ステージやその日の天候により、成分配合を変えるそうですが、
棗田さんは、3年前に全天候型ビニールハウスが完成するまで農業経験ゼロ。
トマト栽培のノウハウも持っていなかったそうですが、
今では「糖度●●度のトマトを作る」と決めれば、システムで逆算し、
収穫時には希望通りの糖度に持っていくことが可能だそうです。

 

 


【物理的に虫を侵入させない3重の防虫ネット】

 

もちろんこの成功の裏には、棗田さんの今まで積み重ねてきた絶え間ない苦労と、
虫の侵入を防ぐための並々ならぬ努力のたまものでもありますが、
このように農業経験が乏しくても、高品質な栽培を可能にする「アイメック・フィルム農法」
トマトもすごいですが、この農法のすごさに驚きです!!!

 


【収穫後、ミニトマトは1つ1つ糖度を測定】

 

 

スマート農業の先駆者 長浜さん

そして次にご紹介させて頂く農家さんは、宮古島市平良地区で、
15年前より農業を営む農事組合法人大地産業の代表理事・長浜和彦さん。
長浜さんは指導農業士でもあり、指導農業機械士でもあるベテラン農家さんです!

 

6000㎡の畑には、キュウリ、ミニトマト、ゴーヤ、アスパラなど、17棟のハウスが並んでいます。


【病害虫に強い健康なキュウリ】


【逞しい勢いのアスパラ】

そんな長浜さん農業のキーワードは「効率化」

元々農業用ハウス建設の仕事に携わっていた長浜さんと、プログラマーのお兄さんとが共作したハウスでは、
自動でかん水や、温度管理が行われています。

設定温度を超えると、自動で窓が開き、扇風機が回り、温度を下げてあげる。
土中の水分が少なくなると、適量の水!そして適度な湿度!

畑のあちこちにセンサーがついているため、作物の状態がリアルタイムで知ることができ、
さらにIot技術により、自動で最適な作物の環境をキープすることにより、病気や虫に強い、元気で健康な作物となるそうです。

取材に伺ったときは、キュウリ収穫の最中だったのですが、なんとこちらのキュウリは無農薬( ゚Д゚)

「孫に安心して食べさせられる安全な野菜を作りたい」

長浜さんの優しいこだわりですね(*^▽^*)

無農薬というと、何となく虫食いだらけを想像してしまいますが、

長浜さん曰く「キュウリ自体が元気で健康な状態であれば、ハウス内に多少虫がいても、そんなに被害は受けない」そうです!

効率化することによって、さらに作物を元気にするための時間に有効活用できるなんて素晴らしいですね(≧▽≦)

 

日々技術革新が急速に進む農業分野、宮古島でもさらなる広がりに期待です!

持続可能な農業を目指して・・・・。

 

お忙しい中、取材にご対応頂きました棗田様、長浜様、ありがとうございました!!