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Message from ecoislandエコアイランド通信

2020.06.26
お知らせ

地域をつなぐ〜フードバンク事業「んまんま」〜 

みなさん、「フードバンク」という活動をご存知ですか?

フードバンクという活動は、食料の銀行を意味する社会福祉活動で、具合的には地域の人から余っている食料を集めて、生活が困窮している人へ提供するという支援活動です。

昨年、2019年10月から宮古島でもこのフードバンクの活動が社会福祉協議会さん(通称:社協)の頑張りによりフードバンク「んまんま」という事業名でスタートしたとの事で、始まってまだ半年の活動ですがどんな効果があり、今後どうしていったら、より良くなっていくのか、お話して頂きました。

宮古島でのフードバンク発起人の社会福祉法人・宮古島市社会福祉協議会・地域福祉課・地域福祉係・地域福祉コーディネーター【松下智美】さん

 


 

Q1・まず、社協の活動について教えてください。

社協では、 地域の人々が安心して暮らすことができるようサポートできるよう、 地域に暮らす人々が助け合って社会に参加していくことを可能にするように、問題があれば話し合い、解決方法を見出していく社会福祉施設、保険・医療・教育などの関係機関の協力の元、取り組んでいます。 しかし、社会福祉は特定の人々のためだけのものではなく、すべての住民や団体に直接または間接的に関係しています。 そのため社会福祉をより地域に広め推進していくことが目標となります。 宮古島市社会福祉協議会では「ふだんのくらしのしあわせづくり」の実現のため様々な事業を行なっております。

福祉の間で困っている方に手を差し伸べ前へ進んでいけるような取り組みを行なっております。

 

Q2・生活保護の間というのは?

そうですね、例えば生活保護を受けるまでいかないけど、生活に困っている方などです。
生活保護を受けるために様々な条件があってそれに該当しないけど、生活が困難な方。

また、長らく親子で暮らしていたけど親御さんが他界してしまった際に、お子さんお一人になり、引きこもりで親御さんの支えでサポートされていたがそのサポートがなくなり、貧困に陥ってしまった方など。

 

Q3・なるほど、貧困の間、、曖昧なところで困っている人ですね。
では、今回お話お聞かせいただくフードバンクもそういった福祉の間で困っている人を助ける活動ですね!

はい、そうです!
社会福祉協議会の地域福祉係、コミュニティーソーシャルワーカー、日常生活自立支援事業等々へ訪問や、来所で相談があった方の中で緊急に支援が必要な生活に困っている人、もしくはそれに近い状況の人へ食料品を提供するものです。フードバンクは食品の寄付を募って生活に困っている人へ差し上げる活動です。空腹を満たすためだけの活動ではなく、寄付する人の“どんな状況にある人も地域の一員である”という意思表示であり、寄付を受ける人にとっては“地域から受け入れられている”という安心感にもなります。企業にとっては食品ロス削減につながります。

 

Q4・宮古島でフードバンクを始めたきっかけは何ですか?

今までソーシャルワーカーさんが訪問する中で、生活で困ってる人とコミュニケーションとりたくて訪問しても、なかなか応じてくれなくコミュニケーションのきっかけになる何かないかと考えていました。また、貧困などにより食べ物がない方をどうか出来ないかと、協会へ連れていって食事をとってもらうようサポートしたりと、みんな苦労していました。そこで、つなぐための何かを、という事でこの活動をスタートしました。

 

Q5・ソーシャルワーカーさんたちにとって待ちに待った取り組みですね。活動を進める中で苦労されている事はありますか?

宮古島では企業さんからの食品ロスが頂けない事で、一気にたくさんの食品を確保できないのが大変ですね。フードバンクに取り組んでいる様々な事例では企業からの取り組みがみんなありますから。

宮古島では台風が来る際に島内の方が食品の買いだめをしたりする事で食品が空になるのでロスがでないんだそうです。

 

Q6.・フードバンクって学校や企業で各家庭の余っている食材を寄せ集めてそれを寄付する、という形があるそうですが、一家庭で余っているものを直接、社協さんへ届けても良いのでしょうか?

はい、もちろんです。個人で社協へお持ちいただく方もたくさんいらっしゃいます。

引越しの際に整理して余っている食材があるからとお持ちくださったり、商品券がいっぱいあるからと寄付のように提供いただいたり。

 

Q7・そうなのですね。気軽に参加できていいですね。提供したい場合って社協さんの受付以外にあるんですか?

今は社協のみですが、ご連絡いただけたら受け取りに職員が訪問し受け取りも可能です。
また、フードバンクポストと言って、食品を気軽に寄付できるよう様々な場所に設置する仕組みがあるのですが、そのフードポストを市役所やスーパーに設置したいと考えています。

フードバンクの狙いは、食料の流れというものだけでなく、参加意識です。
提供してれる人の意識だけでなく、受け取る方の意識にも影響します。

補助を受ける方は自信をなくしてしまっている方が多く、私なんて価値がないんだと話していたりする方へ、そんな事はない、頑張れと応援してくれる人がいるから食料を受け取れるんだよ、頑張ろう。となります。

食料の支援だけでなく心の支援ですね。
またこの食料の提供に依存しないようにお渡しの際にコミュニケーション取ったり、間あいだに社会復帰のためのカウンセリングを挟んでいます。

 

Q8・ フードバンクをきっかけにコミュニケーションが進み、社会復帰や貧困から抜け出せる人が増えるといいですね。質問最後になります、今後の目標や課題をお聞かせください。

長期的な目標は、この活動がなくなる事です。そして目の前の課題としては、島の人が助け合う島になったらいいなと思います。と言っても宮古島は優しい人が多いので自然とその助け合いはあるんでしょうけど、表で見えなくなってしまった困っている人が希望の持てる社会ができたらいいなと思います。

 


 

フードバンクは「ただ余った食材を生活が困難な方に渡す」というだけではなく、「人とのつながり」を意識しているとおっしゃる松下さん。

企業だけではなく、私たち個人でも支援できる仕組みになっているので、補助を受ける方の心のケアにもつながれば…

また、このフードバンクの仕組みを通して「食品ロス」を減らすことにもなります。
ついつい家庭で余って捨ててしまう食品や、賞味期限が来る前に食べずに捨ててしまいそうな食品などがあれば、ぜひフードバンクに寄付してみませんか?

環境にもひとにもやさしい「フードバンク」のアクションをぜひ広めていきましょう!