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Message from ecoislandエコアイランド通信

2021.01.29
お知らせ

国連世界観光機関が提案する“SDGs”の取り組み 

ここ数年、色んなところで見聞きする「SDGs」という言葉。

雑誌などでも特集が組まれたり注目を集めていますが、改めてSDGsについて考察してみたいと思います!

SDGsとは「17の持続可能な開発目標」であり、第70回国連総会において、154名の国家元首または政府首脳により採択されました。

それとともに、大胆かつ野心的と言われる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されています。とりわけ、貧困の撲滅、地球環境の保護、万人の繁栄を目指しています。

一方、宮古島では「エコアイランド宮古島」として「SDGs」の推進を始めています。

そこで、SDGs発信元とも言える国連世界観光機関(UNWTO)についてのお話をお聞きすることにしました。

 

観光業が盛んになると、地域が潤う一方でCO2の排出量が増えるなどといった環境へのダメージが大きくなると言われています。

それを防ぐために、観光において1人1人が意識すべきことはなんでしょうか?

受入側と、観光客の目線、それぞれの視点から定められている行動指針について教えていただきました。

 

【観光業の受入側】

国連世界観光機関(UNWTO)では、新型コロナウイルス感染症をきっかけに持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定に貢献することを目的とする行動指針「観光セクターの責任ある回復のためのワンプラネットビジョン」を発表しました。

こちらには、環境への配慮として以下の3つの行動指針が示されています。

●生物多様性の保護
・観光を通じて環境保護の価値の把握をすること
・保護活動への支援
・持続可能な生物保護のための解決策に対する投資をすること

●気候対策
・観光事業からのCO2排出量の監視と報告
・観光事業における脱炭素化の促進
・観光セクターの炭素除去活動への参加促進

●循環型経済
・観光バリューチェーンの変革に対する投資
・循環性を高めるための持続可能な食品への優先的アプローチ
・観光セクターにおけるプラスチック循環性へのシフト

 

【観光客からの視点】

国連世界観光機関(UNWTO)は、責任ある旅行者になるためのヒントを発行しています。

こちらでは、観光を旅行者自身、また旅行者を受入れる側にとって価値のあるものにするための心構えや考えかたのポイントを紹介しています。

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・旅先に住む人々に敬意を払い、 私達の共有遺産を大切にしよう
・私たちの地球を守ろう
・地域経済をサポートしよう
・旅先の情報に通じた旅人になろう
・尊敬される旅人になろう
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とても見やすく、かつ的確にヒントが書かれているのでぜひ見てみてください!

 

そして、なかなか無くならない貧富の差という問題ですが、 世界中で観光業がさらに活性化すれば、貧しい国の生活も豊かになるのでしょうか?

答えは「Yes」ですが、それは適切に観光が行われていることが条件になります。

観光は世界の雇用の 10 人中の 1 人を創出していて、多くの人々の生計は観光に依存しています。

これらの人々の雇用と人権を守るために、国連世界観光機関(UNWTO)では「世界観光倫理憲章」に基づいた持続可能な観光を促進しており、特に観光労働者と起業家の権利と義務に関連する原則を遵守することがこれまで以上に重要であると考えています。

「観光に関する活動は男女間の公平であることが重要で、とりわけ、最も迫害をうけやすいグループ、その中でも顕著な対象は子供、高齢者、体の不自由な方々、少数民族、及び先住民族に関する人権については、特に推進すべきです。」

とあり、各国の観光復興への行動及び計画において、最も脆弱なグループの保護を確保する措置をとることを推奨しています。

 

今後観光セクターは新たな観光計画において、「持続可能性」に焦点を当てるべきであり、すべての脆弱なグループへの支援・保護を確保できなければ「持続可能な観光は達成することができない」と考えられています。

これらを確実にしていくことが、貧困削減に重要な要素であると考えているそうです。

 

また、AIや最新の技術を活用して、観光や持続可能な開発目標をより達成に近づけることも可能です。

テクノロジーは観光とSDGsの関連性を強化することができる」と国連世界観光機関(UNWTO)は考えています。

国連世界観光機関(UNWTO)は優先的に取組むべき事項の一つに「イノベーションとデジタルトランスフォーメーション」を掲げています。

 

世界中で問題となっているプラスチックゴミ問題ですが、「プラスチックを使う必要がない」という基盤をつくることが大切です。

プラスチックを極力使わないために、企業はどのような点を意識して事業を進めるべきでしょうか?

国連世界観光機関(UNWTO)では、7月に世界の観光セクターがどの様にプラスチック汚染と闘い続けることができるかについて、「観光セクターに向けたプラスチックゴミに対する提案」を発表しました。
この中で「2025年までに観光団体が具体的かつ実行可能な目標を立てて、責任をもって実行していく必要がある」ことをビジョンとして掲げており、推奨事項を4つの主要な領域に分けています。

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・問題を起こしている、或は不必要なプラスチック包装や生産品を2025年までに廃絶する
・使用したすべてのプラスチック包装と生産品のリサイクル量を増やすための行動を起こす
・プラスチックのリサイクル率とコンポスト(堆肥化)率を上げるために協力し、投資する
・これらの目標に向けた進捗状況について、毎年公表する

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この取組に賛同する企業への署名活動を実施しており、現在、世界大手企業であるアコーホテルズ、クラブメッド、イベロスターグループの他、この取組に賛同する主要な業界プレーヤー及び機関を含む、全世界から20以上の企業・団体が署名しています。アコーホテルズはお客様へ提供するサービスのなかで、「すべての使い捨てプラスチックアイテムを、2022年までにホテルから撤廃する」という声明を発表しています。

 

ここまでお話してきたSDGs8・12・15の中で、離島に住む私たちはどんな一歩を踏み出すべきでしょうか?

「まずは、SDGs8・12・15について知るということが第一歩であると考えます。そして、各島嶼国の課題やビジョンに沿って、アクションを起こしていくことです。」

具体的なアクションを考える場として、ワークショップ等を開催し、地元の観光関係者や市民と意見交換する・・・という場をもっと増やしていけるといいですよね。

また、冒頭でご紹介したINSTOとも重なる部分がありますが、観光地をマネジメントする上で、「計測できないものは管理できない」と言われています。

アンケート調査やデータ分析等を通じて、まず現状や課題を知ってもらうことが大切です。

 

また、国外の取組として、「旅行者の責任ある行動を促進している国や観光業界」の取組もあります。

このような事例を通して、旅行者に向けて地元地域の環境や文化、人々を尊重してもらうための取組について考える、といったことも大切になります。

 

UNWTOでは、観光の視点でSDGsについてまとめたリーフレットや責任ある旅行者になるためのヒントを作成しているそうです。

ぜひチェックしてみてくださいね!