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Message from ecoislandエコアイランド通信

2021.11.11
お知らせ

【持続可能な島づくり】伝統行事をいつまでも

みなさん、こんにちは♪

地域おこし協力隊OBの大林です。

宮古島も爽やかな風が吹いてとても気持ちのいい季節です^^

さて先日のお話しになりますが、宮古島は年間を通してたくさんの神事、伝統行事が行われます。

その中でも、10月は行事が多く私、大林が特にお世話になっている来間島の一大行事ヤーマス(豊年祭)も毎年参加させていただいておりますが、ちょうど同じ時期には、伊良部島、西辺、池間島でもミャークヅツ(豊年祭)が行われています。

私は、個人的に伝統行事やお祭りが好きで宮古島でこの先にも残るような写真を収めていきたいと思っていたところもありましたが、これまで取材をする中で、神事を行う司(お祈りをする方)のおばぁたちも年々歳を重ねられて神事や伝統行事を残していく為には、後継者が必要など色々な問題もある中で続けられていることを知りました。

私が知っている来間島での神事などは、おばぁたちが御嶽(内地では神社のような場所)に3~4日間籠ってお祈りや来客の対応するなど、とても大変だなと感じます。

今回は、来間島のヤーマス、伊良部島、西辺集落、池間島のミャークヅツの取材に行ってまりました!

 

先ずは、来間島のヤーマスからご紹介します。

旧暦9月の甲午(きのえうま)から2日間行われ、1日目は、スムリヤー・ウプヤー・ヤーマスヤーという3つの家で行われます。この3家のブナカに地域の人たちや親類が集まり、島の豊年と子孫繁栄を祈願します。

今回は、私は1日目に参加させていただきました。

ヤーマスの1日目は、前年の祭りから翌年の祭り当日までに生まれた赤ちゃんのいる家からは、酒1升やごちそうをもって自分のブナカ(それぞれの家元)に出向き、赤ちゃんを紹介し誕生を祝う「マスムー」が行われます。

▲おじいたちが飲んでいるものは、神酒のミキ。

▲ヤーマスヤーブナカの先輩方。

▲三線と太鼓の演奏に合わせて、みんなで楽しくお祝い。柱にお祝いする子供の名前を張ります。今年は、宮古テレビの番組「サンだる」MCのしんちゃんも撮影で参加でした。

昨年と今年は、コロナの影響で2日目の3家それぞれのブナカが棒踊りを披露しながら集落を練り歩き、「雨乞い座」での祝宴は開かれませんでしたが、各ブナカで小規模で行われたそうです。

 

次に、西辺集落、池間島、伊良部島のミャークヅツにも参加してまいりました。

宮古島の北、池間島には自らを「誇り高き池間民族」と呼ぶ方々がいます。池間島を祖先とする海洋民族で、伊良部・佐良浜、平良・西辺へと分村してもなお、高い固有の民族性を持っています。この季節は、池間民族の盛大なお祭りのような豊年祭が開催されます。

▲西辺のミャークヅツでは御嶽に続く道沿いにみなさんが連なって五穀豊穣を願う。

▲御嶽へと続く道。

西辺のミャークヅツを後にし、池間島のミャークヅツへ

池間島でも本来であれば、こちらの池間島公民館前の広場でクイチャー(踊り)などが盛大に行われますが、今年も中止でしたが、年に一度だけ入ってお参りをすることができる大主神社に参拝し、司がお祈りする貴重な写真も撮影することができました。

▲公民館前の広場。

▲本来であればこのように、みんなで踊りが繰り広げられます。

▲大主神社で司がお祈りを捧げる風景。

▲参拝する方は、みんな神社の入り口で履物を脱いで裸足で参拝させれます。

近くにいたおじさんが、昔はこの参拝する道のサイドにあるサンゴのかけらを毎年、池間島の青年部のみんなで敷き詰めていたとのことで、お賽銭を投げる場所までは少し距離もあるので、なかなかこれは大変だと驚きました。今は、若者も少ないとのことで、この作業はなしになってしまったとのことでした。

そして昔は3日間のうち、中日にしか大主神社に参拝できなかったが現在は、別日でも参拝できるとのことでした。

私も裸足になり参拝させていただき、日頃の感謝の気持ちをお祈りさせていただきました。

 

そして最後に、伊良部島・佐良浜のミャークヅツを取材撮影させていただきました。

佐良浜ミャークヅツは、旧暦8月、9月の甲午キノエウマの日から4日間ムトゥを中心に、佐良浜の人達総出で盛大に行われる祭りです。

ミャークヅツの由来は2つあるそうです。仲保屋の池間の主が、税金(人頭税)を完納した褒美として祭りを与えたという説と、一人子が亡くなって、その悲しみで人生の無情から、現世を楽しく生きようとして始まったとの説が伝えられていますが、前説が有力とのことです。ミャークヅツには、いろんな仕来りがあり、それを司るのは、各ムトゥのツカサウヤを中心にミーウヤ(ミーイディウヤ・アライディウヤともいう)が行う。池間添(マジャ・アギマス・マイヌヤー)では、数え年47歳、前里添は50歳からミーウヤになります。

▲47年生(歳)のみなさんが港側から一列で池間添えの建物へ。

▲今年は昭和50年生まれ(47年生)の方々でした。

▲伊良部島・佐良浜のミルク酒。

▲池間添えの建物で、47年生のみなさんが各々の踊りを披露してみんなを楽しませてくれます。コロナ禍でなければ本来は、外で円になってミルク酒を飲みながら3~4時間踊り続ける(4日間)なかなかハードな行事です(笑)

毎年、来間島のヤーマスに参加させていただいたり、伊良部島や西辺のミャークヅツを撮影させてもらえることはありましたが、池間島の大主神社の参拝や同じ年に4つの行事を回るということは初めてでとても貴重な経験と撮影をさせていただきました。この伝統行事をこの先もずっと残していけるように、今後も地域おこし協力隊OBとして地域の行事に積極的に参加し、その様子もまた写真などを通して伝えていけたらと思います。

ご協力いただきました、各地域のみなさんありがとうございました。