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2025.06.16
特集記事

袖山浄水場&白川田水源地に潜入取材!

6月1日から7日までの1週間、「透き通る 誇れる水に 感謝する」をスローガンに、第67回水道週間が国土交通省・環境省・都道府県・市町村の主催により、全国一斉に実施されました。

地下水が頼りの宮古島にとっては、とても意義深い1週間です。

この1週間では、水道の仕組みや水道水源、水道事業の現状や課題、節水、飲料水貯水槽の衛生管理の重要性などについて、市民の理解と関心を深めることを目的とし、啓発・広報活動が重点的に行われ、その一環として、宮古島市では、普段は立ち入りが制限されている水道施設の一般公開および見学会が実施されました。

本年は宮古島市制施行20周年を記念して例年より範囲の拡大、参加者人数の増員をして実施され、6月4日に袖山浄水場と白川田水源地の見学会が行われました。

まずは袖山浄水場から。

宮古島の水は、地下水を汲み上げて飲料水にしています。
宮古島の地面は、琉球石灰岩というスポンジのように穴がたくさんあいている、水を通しやすい岩でできています。
その下には粘土まじりの島尻層という水を通しにくい地層があり、地面に染み込んだ水は地下で川のように流れ、海岸で湧き水となり海に流れていきます。
その地下水が海に流れ出す前に汲み上げて、わたしたちの水道の水として使っています。

宮古島市水道部では、緩速ろ過方式を採用しています。
ろ過池の砂の表面に、水中で浮遊している藻類や微生物などが堆積してできる「ろ過膜」という膜を利用して水をきれいにする方法です。
ろ過膜は、ぬるぬるした褐色または、緑色をした粘っこい薄い膜で生物科学的作用があり、この膜を通してゆっくりと水を浄化させます。
この方式は、自然で行われていることを人工的に再現しているものです。

水が各家庭や施設に運ばれるまでの取水・着水・硬度除去・緩速ろ過・塩素消毒といった各工程を直接見学することで、「見えない不安」を「見える安心」に変える機会となりました。

白川田水源地に移動しました。

宮古島市では、「宮古島市地下水保全条例」を制定し、地下水汚染の防止に取り組んでいます。
しかし、条例だけで水を守ることはできません。
その背景や目的を市民一人ひとりが理解することで、私たち自身が水源を守る“当事者”であるという意識が育まれていきます。

宮古島市地下水保全条例(概要)

2011年(平成23年)制定

■ 目的

宮古島市の水道水源である地下水を、汚染などの危険から守り、将来にわたって安全・安心な水を市民に供給し続けるためのルールを定めています。

■ 主な内容

水源保全地域の指定
地下水のかん養(しみ込み)に重要な地域を「水源保全地域」として指定。土地利用の制限や行為の届出を義務づけ。

特定行為の制限・届出
農薬・化学物質の使用、土木工事、畜産業など、地下水に影響を及ぼす可能性のある行為には事前届出や制限が設けられています。

監視・調査
地下水の水質や水量を定期的に調査し、異常があれば速やかに対応できる体制を整備。

事業者・市民への協力要請
地下水保全に向けて、市民や事業者の理解・協力を得るための啓発活動やルールの周知も条例の一部として位置づけられています。

宮古島の水道水は、ほぼすべてが地下水に支えられています。
なかでも「白川田水源」は、市内の水道水の約80%を担う重要な水源であり、その保全は地域の暮らしや未来にとって極めて重要です。

持続可能な地下水の利用を実現するには、行政の取り組みに加え、市民の皆さんの理解と協力が欠かせません。