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Message from ecoislandエコアイランド通信

2021.08.30
お知らせ

宮古島サンゴ再生プロジェクト始動!!

 

青のグラデーションが織りなすミヤコブルーとも評される宮古島の海、
シュノーケルやダイビングで潜れば、カラフルなお魚たちに、色とりどりの豊かなサンゴ、宮古島の宝物ですね(*^▽^*)

 

しかし、今、そんな宮古島の海が危機的状況に直面していることはご存じでしょうか?
年々サンゴの白化現象が進み、もうビーチ近くのサンゴはほとんどが白化、もしくは死に絶えてしてしまっているそうです。

 


【元気なサンゴ】

 

 


【白化したサンゴ】

 

 


【死んでしまったサンゴ】

 

 

「白化現象」、最近ではTVや新聞で取り上げられることが増え、なんとなく耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、20~30年前ぐらいから世界中で問題となっており、宮古島も例外ではありません。それでも何とかサンゴたちを守ろうとさまざまな団体が連携しながら、日々取り組んでいます。

ところで、なぜサンゴは白化したり、死んだりするのでしょう?

それはサンゴが、石でも岩でもなく、 動物だからです。
クラゲやイソギンチャクと同じ刺胞(しほう)動物の一種で、触手や口もついています。

また褐虫藻(かっちゅうそう)という藻類の一種である植物性プランクトンと共生し、褐虫藻の光合成によりつくられる栄養を主なエネルギー源としていますが、海水温が上昇すると、この褐虫藻が出て行ってしまうため、サンゴのもともとの色である白色に戻ってしまい、
この状態を「白化現象」 といいます。
この現象が続くと、サンゴは褐虫藻から栄養を得られないため、ついには死に絶えてしまいます。

そんな瀕死のサンゴたちを守るため、ここ宮古島でもサンゴ再生プロジェクトがいよいよ始動します!

 

そこで、池間八重干瀬会の副会長の原さんと、環境問題の啓蒙活動を行っている吉田さんにお話を伺ってきました。

Q1. まずは自己紹介をお願い致します!

原さん:私は宮古に来て丸8年で、夏は池間島のダイビングショップ「azaikema diving service」、冬は漁師や農業をしながら、池間八重干瀬会の活動にも取り組んでいます。

吉田さん:私は2017年にミス宮古島として活動し、今は観光協会青年部に所属しながら、宮古島市や民間企業と連携し、環境問題の啓蒙活動など行っています。
環境問題に取り組むようになったきっかけは、ミス宮古島をしていたとき、島への観光客があっという間に100万人を突破し、さらに加速していく右肩上がりの観光客数。
ミス宮古島として嬉しい反面、はたしてこれでよいのか、自分の中に疑問が沸き起こりました。

「私たちが守るべきものは何だろう」

そこから自分で環境について勉強を始め、ミス宮古島として、美しい自然の魅力と実際に起こっている問題について発信していくようになりました。
ミス宮古島の任期を終えた現在も、自身のInstagram等を通じて、環境問題の現状や取り組みを発信し、多くの人に正しく伝える活動を行っています。

 

Q2 このプロジェクトが立ち上がった背景を教えてください!

原さん:私が宮古に来て2~3年後の年に、全然台風が来ない年があって、海水温が上昇し(※)、みるみるうちに八重干瀬のサンゴが白化していく様子を目の当たりにして、これは何とかしなければと思いました。
そんな折、恩納村や石垣島でのサンゴ養殖などの話を聞き、興味を持っていたことと、また他の案件で県の水産課の職員の方と話す機会があり、その時に、八重干瀬のサンゴの状況をご説明する中で、このままではどんどん白化していく、八重干瀬でもサンゴを少しでも再生させていかなければということで一致し、プロジェクトに向け、計画が立ち上がりました。
今年度は、県からの委託事業としてスタートし、来年以降は、池間八重干瀬会で事業を継続していけるよう取り組む予定です。

※台風が来ないと、海水がかき混ぜられず、海水温が上昇してしまう。

 

Q3 池間八重干瀬会とは、どのような団体ですか?

原さん:主に池間島のダイビングショップが加盟する団体で、漁協や宮古島の他のダイビング団体と共に、サンゴの天敵あるオニヒトデの駆除や、海底の清掃など、宮古島の海を守る活動をしています。
またダイビングの際に船を固定するときに、サンゴに傷をつけないよう、水中ブイの設置や水難救助の訓練などもしています。

 

Q4 今後のサンゴ再生プロジェクトの流れを教えてください。

原さん:9月上旬に池間周辺から卵を蓄えたサンゴ(ヤッコミドリイシ)を採取し、狩俣の宮古島市海業センターに移植します。その後、産卵を誘発させ、採卵し、着床具に着生。9月中旬には、この着床具を池間島周辺の海に移設する予定です。
そして、月1~2回ぐらいのペースで、藻の掃除などを行い、ある程度の大きさになったら、本移植します。

吉田さん:サンゴの産卵、わくわくしますね(*´▽`*)
産卵させるサンゴはどのように選ぶんですか?

原さん:サンゴの産卵は、月の満ち引きが大きく関係し、多くのサンゴは、年に1回、満月の前後に産卵します。
しかし、いつの満月に産卵するのかは、サンゴの種類によって、またサンゴの生育地域によって、さらにはその年の天候によって変わるので、産卵日を正確に予想するのはとても難しく、またサンゴの赤ちゃんを移設する場所選びも、その後の成長に大きく影響するため、とても重要です。
今年度は、鈴木さんというサンゴ移植のスペシャリストの先生に習い、来年度以降は、私たち池間八重干瀬会で継続していく予定です。

 

Q5 サンゴを守るために私たちにできることはありますか?

原さん:サンゴ死滅の原因は、地球温暖化による異常気象が大きいところがありますが、それだけではなく様々です。海水温の上昇などの環境的ダメージは、すぐにどうこうできる問題ではないので、私たちは、それ以外の人的ダメージを最小限にすることを目標に日々取り組んでいます。

例えば、私たちが普段使っている日焼け止め、これをつけて、肌を露出しながら、海に潜ってしまうと、有害な日焼け止めの成分が海に流れ出し、サンゴをはじめ多くの海洋生物にダメージを与えてしまいます。それを最小限に防ぐため、サンゴに優しい日焼け止めを使用したり、長袖のウェットスーツやラッシュガードを着用し、できるだけ日焼け止めの流出を抑えて頂ければと思います。


【クラウドファンディングの支援により2017年に発売された「サンゴに優しい日焼け止め」

またシュノーケルの際に、フィンでサンゴを蹴ってしまったり、サンゴの上に立ってしまう方も見受けられるので、しっかりとライフジャケットなどの浮力体をつけて泳いでほしいです。

吉田さん:イベント企画したり、小学校の出前授業などにも行くので、池間八重干瀬会の皆さんの取り組みも島内外の多くの方に広く発信していきたいですね。
また原さんがおっしゃる「サンゴを守るための取り組み」に関しては、宮古島市もエコパスポート内で分かりやすくご紹介しています。こんな風に素敵な活動をされている方がたくさんいらっしゃるので、垣根なく連携して、美しい自然を残していけたらよいですね。

 

来月から本格始動する「宮古島サンゴ再生プロジェクト」
宮古島の千年先の未来に向けて、
いつまでも住み続けられる豊かな島であるために、
今、私たちにできることは??
このプロジェクトをきっかけに、より多くのサンゴを守っていけるよう、私たち1人1人が考えてみてはいかがでしょうか。

今後も複数回に分けて、皆様にお知らせしたいと思うますので、乞うご期待ください!

 

お忙しい中、取材にご対応下さった原さん、吉田さん、ありがとうございました!

またよろしくお願いいたします!!