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Message from ecoislandエコアイランド通信

2020.07.29
お知らせ

2019年度新エネ大賞の最高賞を県内初受賞!「再エネサービスプロバイダ事業」って?

宮古島未来エネルギーさんでは、「再エネサービスプロバイダ事業」を行っています。

この取り組みが評価され、2020年度新エネ大賞において最高賞・経済産業大臣賞を、県内で初めて受賞されました!

そこで、「再エネサービスプロバイダ事業」とは一体どのような事業なのか?新しいエネルギーである太陽光発電とは?について語って頂きました。

 

再エネサービスプロバイダ事業とは?

太陽光発電の主力電源化を目指している事業で、事業者が所有する太陽光発電・蓄電池・ヒートポンプ給湯機といった機器を、顧客の敷地内に設置し、事業者側は、電気や熱などの再生可能エネルギーと共に、運転管理・保守メンテナンスなどのサービスも一括して提供。顧客側は、エネルギー・サービス料金を対価とし支払う、といった事業です。

太陽光発電は、家庭ではまだそれほど一般的ではなく高額な費用がかかるというイメージの方も多いと思いますが、宮古島未来エネルギーさんでは、常に家電メーカーと相談・交渉を行い、機器の調達コストや設置方法の工夫することにより、個人で購入するよりも1/5~1/2程度コストを抑えているそうです。ただし特殊な調達方法と設置方法なので、販売することは出来ず、無料で設置して、保守管理までを実施。顧客が毎月の利用料金を支払うことで、設置費用を回収しますが、従来よりも1割程度安価に電気を利用することが出来る仕組みだそうです。

何も知らずにこの話を聞いたら「本当に~?」と疑ってしまうようなお得な話かもしれませんが、それだけ裏側で工夫をして企業努力を積み重ねられているんですね。

 

事業を始めたきっかけと苦労と努力の日々。

事業を始めたきっかけは12年前のエコアイランド宮古島宣言だったそうです。

当時沖縄電力で働いていた比嘉さんは、宮古島市からの実証事業であるスマートコミュニティー事業に関わっていて、その中でシステム評価を担当されていました。

その頃から実証で終わらせてしまうのは勿体ないので、この取り組みが成功しても失敗しても、なんとかビジネスとして宮古島の産業にならないかとずっと考えていたとの事。それほど、スマートコミュニティー事業の考えや取り組みが将来に繋がっていくと考えていたそうです。

それからほどなくしてIoT通信がどんどん日本に入ってくるようになったり、電力の自由化、ガスの自由化が進み始め、 離島が取り残されてしまうのではないかという危機感もあり、2016年、ついにベンチャー企業を立ち上げました。

とはいえ、事業を始めた3年間は世間に受け入れてもらえず、さまざまな苦労があったそうです。

「太陽光発電は着実に安価となり、自家消費電源として利用できる時代になりましたが、実は従来と同様な運用方法では大量普及はできません。そのため、家電と一体となって動く安価な制御方法やそのシステムが必要だと考えていたのですが、その制御方法について、家電メーカーからは「常識と違う」といわれ、通信会社からは相手にされず、必要な装置などをそろえることにとても苦労しました。なんとか普及に向けて努力を重ね、設置費無料で従来よりも光熱費が安価になる利用プランをついに実現しても、“良いことだらけで逆に怪しい”と疑われ、島内で受け入れてももらえるまでに時間がかかりました・・・。まだ浸透はしていないので今後も努力して参ります!」

新たなビジネスモデルということもあり、周りの理解を得ていく事がとても大変だったようです。新しいことを始めることの難しさと、難しい事にもひたむきに努力を重ねて向かっていく比嘉さんの熱意を感じます。今ではそんな努力の甲斐もあり、家電メーカーさんから比嘉さんの開催する勉強会に参加しに来るようになったそうです。

 

子どもたちが島で働けるように。

従来の電気供給は、外国から輸入した石油で発電していますが、比嘉さんはこれからは太陽光発電が主力の電源になると考えています。

そのためには、過酷な宮古島の環境に長期間耐えられるように、設置する機器には様々な工夫が必要になります。機器の組立や加工を行い、それを設置して、定期的な保守点検を行いながら、従来よりも、もっと長く使えるようにして行く必要があるため、その作業や管理を雇用創出に繋げられれば、と考えているそうです。

エネルギーの地産地消を行い、その運用のために地域の新たな雇用が生まれる・・・まさに地域でのSDGsが目指す姿ですね。

 

宮古島未来エネルギーさんが考えるSDGs。

SDGsの話が出ましたが、宮古島未来エネルギーさんが考えるSDGsはどのようなものなのでしょうか。それが下記の図になります。

再エネサービスプロバイダは、従来の太陽光設置のみとは違い、自家消費型の電気供給です。それは常に保守管理しながら設備を維持し、なおかつ常時監視制御を行っていくため、様々なSDGsに貢献できる、との事。すべての人の生活にかかわるインフラで、環境負担を減らし、なおかつ新たな雇用を生み出せることでこれだけ多くのSDGsに貢献できるわけですね!

 

再エネサービスプロバイダ事業の今後。

比嘉さんは今後、再エネサービスプロバイダ事業を沖縄の各地域、特に離島には早めに広めたいと考えているそうです。そのために重要な設備の保守管理を常に行うため、各離島に宮古島未来エネルギーのようなグループ会社を作っていく、との事。というのも、特に沖縄の各離島は燃料の輸送コストなどの様々な問題からエネルギーを作り出すことにとても困っている現実があり、これを万人に平等に降り注ぐ太陽光で解決したいと考えているからだそうです。

また、本土でもニーズがどんどん高まり全国からエコパークに見学に来ているため、現在進行形で複数のプロジェクトのサポートを始め、広い地域への普及にむけて頑張っているとの事でした。

 

「千年先の、未来へ。」、そのための一歩。

最後に、エコアイランド宮古島のスローガンである「千年先の、未来へ。」には、千年先の未来のためには、今からの一歩が大切という意味が込められています。宮古島のエネルギー政策において、その大事な一歩はどのような一歩と考えられているかをお伺いました。

「宮古島未来エネルギーのサービスを受けてみてほしいですね。エネルギーはあるのが当たり前で、失ったことがないのでなかなか重要視されにくく、意識してもらうのが難しいです。 かと言ってそんなにありがたみを感じて欲しいわけではないのですが・・・。安い電力、など何かメリットを感じて市民一人ひとりの方が電気の供給源を切り替える人が増えたらいのではないかと思います。」

たしかに、電気などのインフラはあまりにも身近すぎて普段あまり意識することがないですよね。かといって無くなったらとても困る、というのは台風の多い地域の皆さんならよ~くわかるのでは・・・?兎にも角にも、何事もまずは意識する、知る、ということから始まります。そして、いいな、と思ったものを一人一人が行動に移すことができたら、きっと未来は明るいのではないでしょうか。

比嘉さん、取材のご協力ありがとうございました!