千年先の、未来へ。

エコアイランド宮古島公式サイト

follow us
Instagram facebook

Message from ecoislandエコアイランド通信

2020.07.22
お知らせ

宮古島の歴史を未来につないでいく~祭祀・自然編~

 

宮古島の歴史を調査し、分野ごとにわけて掲載・発刊している「宮古島市史シリーズ」。

今回、新たに「宮古島市史第二巻祭祀編」「宮古島市史第三巻自然編第Ⅰ部みやこの自然 別冊」が発刊されたとの情報を聞き、

市史編さん委員会の方々に取材させて頂きました!

 

▲市史編さん委員会会長さんにもお話を伺うことができました。

 

 

今回の発刊にあたってのストーリーや苦労をお聞きし、シリーズについても詳しくお話して頂きました。

 

 

宮古島市史シリーズである「祭祀編」は、2018 年に「上」を発刊し、今回は「中」の発刊となります。

「上」では、宮国、城辺、宮原地域の3つの祭祀を重点的に調査しましたが、「中」では平良地区の祭祀、西原に伝わる歌謡など182点にも及ぶ祭祀について記述されています。

 

そして、祭祀編「中」の一番大きな特徴は、池間や島尻地区に住む地域の人々が調査員として調査に参加されたことだそうです。

今までは表に出ることのなかった祭祀の内容を、「神役」から直接聞き取りをして、明らかにすることができたということです。

 

貴重な祭祀の全貌が明らかになる・・・

内容がとっても気になりますね!

 

 

ちなみに、「みやこの自然 別冊」では、本編に載せられなかった目録が主に掲載されています。

以前発刊された「みやこの自然」では、写真を2000枚も掲載したことから、目録などが載せられなかったそうです。

今回は、その補足として発刊されたんだそうです。

 

とはいえ、こちらも見ごたえがあります。

特に、巻頭ページに注目。

60年前に、アメリカによる地質調査が行われた際の宮古の地図がきれいに残っていて、そのままカラーで掲載されています。

 

 

182点にも及ぶ祭祀についてや、

2000枚にも及ぶ写真を撮るなど、

幅広い情報をどのように調査・観測していったのか、気になりますよね。

 

「祭祀編」については、自治会長さんに前もって祭祀の日程をお聞きし、情報を得ていたそうです。

「みやこの自然 別冊」では、ゴルフ場であったり、個人の所有である無人島、養殖場まで調査するので許可を得ながらすすめる形をとったとのことです。

特に、大神島は大変神聖な島なので、地元の人に「入っていい場所」を聞きながら調査をすすめたんだそうです。

 

その中で、最も苦労したのは「フデ岩」の調査だった、と語る編さん委員会の皆さん。

 

フデ岩は鳥の繁殖地となっていて、繁殖期には上陸できなくなります。

また,潮の干満にも左右されるので調査日がかなり限定されてしまうのです。

 

他にも、宮古島は基本的に気温も湿度も高いので、体調を崩す調査員もいたり・・・

祭祀については年に一回しか行われないものが多いにも関わらず、いきなり取材NGとなってしまうことも。。。。

そうなると、一年持ち越しになってしまうので調査がさらに長引いてしまいます。

 

中でも、シリーズである「みやこの自然」は、

多良間島や大神島、無人島まで調査したので2012年から7年近くの年月かけての発刊となったそうです!

このエピソードだけでも、大変な苦労がうかがえます。

 

今回発刊された「宮古島市史第二巻祭祀編」は、シリーズの中でも特に貴重なものです。

そもそも、このシリーズを発刊した目的として「宮古に住む方々の道しるべに」というのが大きな意義となっているそうです。

 

宮古島市史シリーズについて、

「今後、宮古島市をはじめ県外でもどのように活用していってほしいですか?」

と聞いてみました。

 

「本を通して、先人たちが何を大事と考えてきたのかを垣間見ることができます。

何より、宮古島市民にとっては自分たちのアイデンティティを知ることができますし、県外の方々にとっても宮古島を理解するきっかけになればと思います。」

 

 

▲「みやこの歴史」と「みやこの祭祀(上・中)」

 

宮古島市史の中でも「みやこの歴史」は、最初の発刊からわずか1か月半で売り切れになるほどの人気だったそうです。

その後も増刷しても売り切れを繰り返し、2020年も増刷が決まったので、「多くの方にまた読んでもらえる。」と編さん委員会の方々はお話してくれました。

 

今回は、宮古島市史についてお話を伺いましたが、どれも大変興味深かいものでした。

特に、宮古島や大神島は「神の島」とも言われていて祭祀が多く残っています。

祭祀は、今まで謎に包まれたものが多かった中で、全貌が明らかになった今回の「祭祀編」はさらに貴重なものとなっています。

 

みやこの自然も、祭祀も、未来の宮古島に残していきたい「宝」だと再確認することができました。

みなさんも、ぜひ「宮古島市史」を読んで宮古島への理解を深めてみてはいかがでしょう。