
命の水を守る~地下水保全~
島の飲み水・農業用水は地下水
地下水を守り、住み続けれられる島へ
この島であり続けるために… いつまでも住み続けられる島へ。
エコアイランド宮古島は、島の環境を守り、島がもたらしてくれる資源を大切に使い工夫をし、いつまでも住み続けられ、そしてみなさんに愛される豊かな島創りを目指そうと始まった取り組みです。
2008年、そのビジョンとして「エコアイランド宮古島」を宣言しました。
それから時が経ち、私たちのライフスタイルもずいぶん変わりました。
今私たちは原点に帰ろうと思います。
「共に創るエコアイランド」他人事から自分事へ。
わたしたち島民だけではなく、宮古島を好きでいてくれる、今このページをご覧になっているみなさんとともに、創りあげていくエコアイランド宮古島。
この島であり続けるために、みんなでできることから始めましょう!
島の飲み水・農業用水は地下水
地下水を守り、住み続けれられる島へ
宮古島の美しい海は、神様から私たちがいただいた贈り物
私たちは、この限りある贈り物を慈しみ、守ります
サステナブル(持続する島)で、スマートアイランド
(限りある資源を大事に使う島)であるために
島の飲み水・農業用水は地下水。地下水がきれいになれば、海もきれいになる。
水を守り、いつまでも済み続けれられる島へ。
資源リサイクルセンターでは、家畜の糞尿や生ごみ、せんてい枝等を堆肥を作ったり、下水処理場から出る下水汚泥を堆肥化したりして、農地に還元しています。
化学肥料にたよった農地では、作物が取り込みきれなかった成分が地下水にまで浸透し、地下水を汚染してしまう問題もあるのですが、ここで作られた堆肥を使い続けることで「土」そのものが肥え、化学肥料の使用を減らすこともできます。
つまりは、地下水汚染を防ぐことにも役立つということです。
堆肥まで島内生産で、しかもその原料は廃棄物。
リサイクル堆肥で作物を作り、私たちが食し、家庭や事業所から出た生ごみや下水はリサイクル堆肥として蘇り、循環していく…
エコアイランド宮古島のテーマにぴったりの肥料なのです。
このような肥料の利用を農家のみなさんにお願いして、地下水の保全に繋げる。地道な作業ですが、大事な大事な取り組みなのです。
島の耕作面積の約7割を占めるサトウキビは、収穫から次の植え付けまで約4ヵ月空きます。
そこで注目されたのが、日本そばです。
日本そばはなんと、植え付けから収穫まで約2ヵ月でできてしまうのでサトウキビと輪作が可能です。
今まで休ませていた畑を年中稼働させることができるという事は、生産者にとってとても大きなメリットになります。
また、日本そばを栽培することによって宮古島の生活に欠かせない地下水保全にも役立つことが、なんと島の高校、宮古総合実業高等学校の研究の成果から解っています。
川のない宮古島は地下水を生活用水として利用していますが、
近年、畑に使われている化学肥料が地下水を汚染していることが問題になっています。
ソバは、化学肥料から出る余分な成分を吸収する力を持っているのです。
これも、宮古島にピッタリな理由のひとつです。
日本一早い新そば!!
島内産日本そばの地産地消を目指して。
島内で生産された日本そばは、島内の和食屋さんで提供されています。
中でも「食菜 かま田」さんは、宮古島産の日本そばにこだわった手打ちそばを出していて雑誌などでも紹介されています。
かま田さんは、蕎麦栽培の研究をしている宮古総合実業高等学校と交流を深めていくうちに、一緒に島にやさしい蕎麦作りに取り組むようになったと、優しく語ってくださいました。
宮古島の美しい海は、自然界から私たちがいただいた贈り物。
私たちは、この限りある贈り物を慈しみ、守ります。
海へ流出する土砂をくい止める
海の汚染源は、さまざま。
一見、きれいな宮古島の海も、おじいおばあに聞けば必ず「昔はもっときれいだったさーね」「魚も湧いていた」というほど、変わってしまったそうです。
それは地球温暖化という地球規模の課題も大きいと考えられていますが、私たちは私たちで出来る事に取り組んでいきたい…
その一つは、大雨の時に流れ込む赤土などの海への流出です。
深く地中に根を張り土を保持していた森が畑に変わり、リゾートなどの開発により海辺の植物も少なくなり、土砂が海に流れ込みやすくなりました。
市街地近辺にある森林は、元々あった原生林ではなく植林がほとんどで、主な樹木はリュウキュウマツです。しかし、年間1,000本近い松林が病害虫やその他の原因で失われており、このままでは森林が無くなる可能性があり現在、対策をしているところです。
このように宮古島の緑地帯は減少し続けて、生態系や景観に影響を与え続けています。
2012年にラムサール条約に登録された与那覇湾は、最近、赤土が流れ込む事が多くなり、生息する多様な生き物たちの暮らしが脅かされています。
また、赤土の流出はサンゴにも大きな影響を与えます。流れ込んだ赤土が海水を覆う事でサンゴと共生している藻類の光合成を妨げ死滅してしまい海の生態系に大きな影響を与えてしまいます。
そこで、グリーンベルトと言われる土砂が流出しないように畑と海の間に丈夫な植物で作る緑地帯や、海岸線の森の保全などが、海を守るために考えられています。
神様からの贈り物、守っていくことが私たちの役目です。
緑を育み、島の豊かな生態系を守り、恵みをいただき、また育てる。
循環を繰り返していくことで、いつまでも住み続けれる島を目指します。
「私たち」から海を守る
海の汚染源は、悲しいことですが、私たち人間でもあります。
それはみなさん、ご存じですね。
生活排水や、家畜の排せつ物、農地へ散布する化成肥料の余剰分が海へ流れ出て、窒素やリン等の成分が、オニヒトデの発生の要因のひとつと考えられ、サンゴや生物への影響が心配する声があがっています。
対策として、緩効性肥料の有用性や農作物の生育に合わせた肥料の散布、「地下水を守る」でご紹介した下水汚泥から作られたリサイクル堆肥の利用を促進していきます。
また、生活排水への対策として、公共下水道、農漁業集落排水への未接続世帯への対応や、合併浄化槽の設置等の対応策を考え実施していきます。
サステナブル(持続する島)で、
スマートアイランド(限りある資源を大事に使う島)であるために。
島で消費されるものをつくる。島で生産されたものを食べる。
宮古島では新鮮な魚介類が獲れ、野菜が生産されています。
また、宮古牛や豚、鶏肉もあります。
しかし、この島の恵みを意識して、島の中で消費しようとしている人はどれだけいるでしょうか。島内産の食べ物を島内で消費すると、島にとってどのような影響があるのでしょうか。
島で獲れたものは、生産者さんの顔が見えやすく安心。
島外へ輸送する費用もエネルギーも使わないので省エネ!
食料自給率が上がれば、「島の生きる力」もアップ!
時期によって高い安いという値段も問題はありますが、少し地産地消を意識すれば、島全体のいいことに繋がっていく…
みんなで島を育んでいく活動を支援していきます。
スマートコミュニティーへの挑戦。エネルギー自給率の向上。
今まで宮古島では、「島嶼型スマートコミュニティ実証」「メガソーラー実証事業」「小型電動モビリティプロジェクト」など国内外から注目を集める省エネルギーにかかわるプロジェクトを実施してきました。
なぜか?
宮古島の電力は、火力発電が中心でした。そして、電気を作るための燃料は島外から運ばれてきます。
その為、宮古島の電力はかなりのコストがかかっています。
そこで考えられるのは、エネルギーも自給でということ。ましてや、資源の枯渇が叫ばれ、地球温暖化が問題視されている世の中…
太陽光などで作られた自然エネルギーだけで島の消費電力を賄えないかだろうか…実証実験は始まったのです。
もっと、もっと環境にやさしい島を創る!
宮古島は、2008年に「エコアイランド宮古島宣言」を行い、持続可能な島づくりに向けて取り組むことを宣言し、2009 年に「環境モデル都市」として認定を受け、エネルギーを効率的に使う事で、CO2の削減についても積極的に取り組んでいきます。
その取り組みがいつか海外の離島や蒸暑地域の見本となり広がっていき、世界規模のCO2削減に貢献していく…そのようなビジョンを描いています。
また今後は、積極的に情報発信をし、地球温暖化対策と地域活性化、市民・事業者・観光客が共にエコに関連する行動(エコアクション)ができるよう情報発信や環境活動の支援制度を充実することで、CO2削減と地域活性に繋がっていくプロジェクトを推進していきます。
島の暮らしを支えるスマートを、みんなで創る!
行政単位でしかできない大きく先進的なエネルギーの実験を、これまでやってきました。実験ではとても貴重なデータを得ることができ、今後の宮古島のエネルギー施策に活かしていく計画が練られています。
今後は行政だけではなく、島民のみなさんも一緒に取り組む省エネ・スマートコミュニティ創りを行っていきます。
島民・観光客・事業者が参加できる「エコ活」を!
持続的で環境にやさしい宮古島のライフスタイルを創っていくために、島民のみなさんが参加できる、しやすいエコアクションの制度をつくっていきます。近々にみなさんに発表します!
エコの島コンテストを通じて島民のみなさんのエコ活が盛り上がってきているのを感じます。ぜひ、みんなで宮古島型のスマートコミュニティを創っていきましょう。
また、観光客のみなさんや島外にいる方たちにも参加できる仕組みも考えていきます。コミュニティは行政のものではなく、わたしたちそのものなのです。
ゴミがなく、ポイ捨てもしない島
広がりはじめたボランティアの活動
宮古島といったら、なんといっても白い砂浜・青い海!
天国のようなビーチが宮古島にはいくつもあります。
しかし、宮古島の東海岸や北海岸にまわれば、海流の関係で流れ着いたゴミが大量に山積している場合があります。
もちろん、海外から漂着したゴミだけではなく島民や観光客のみなさんが残していったゴミもあります。
このような現状を知った島民や観光客の人がボランティアとしてビーチクリーンに立ち上がりました。
NPOや個人の仲間たちなど、形態は様々ですが、SNSなどのネットを通じてその活動は広がりを見せはじめ、今年の1月に開催された「エコの島コンテスト」ではビーチクリーンを行う団体が参加して交流を深めました。
エコアイランドの取り組みの中で、このような活動をする人たちが活動しやすくなるような支援をする検討をし、一緒にエコ活に取り組みます!
持続可能で住み続けたい島であるための
これからの人材の育成
現在、宮古島ではエコアイランドについて学ぶための視察ツアーなどを通じて、持続可能な島づくりとは何か?をみなさんにお伝えしてきました。
今後は、視察ツアーの充実をはかり、学び、楽しめて、もっとこの島が好きなるツアーやエコ教育のサービスを構築していきます。
ぜひ、視察ツアーを体感してください!!
また学校教育への環境教育プログラムの導入も積極的に検討をし、島の将来を担う人材育成にも取り組みます!
環境教育プログラムは、6つの「私たち取り組み」をベースに構築し、持続可能な島づくりついて学び、体験できるプログラムを計画しています。
また、エコアイランドは「いつまでも豊かに暮らすことができる島」というも掲げています。
職種の数が限られていて、職業選択の自由が難しい島では、主要産業の農業・漁業といった第一次産業を守らなければなりません。
それには生態系や環境保全は最も重要なテーマで、仕事を守る意味でも今後も環境保全は積極的に推し進めていきます。
さらに、ITやIoTといった情報通信産業分野は、場所を問わず働ける仕事として注目を集めています。今まで島になかった職域をつくり、職業選択の幅を広げて、島民が暮らせることが十分に出来る収入を得られるようにする社会のデザインも必要です。
固有種や希少な動植物が生きる
この島の自然を守ります
いつまでも住み続けられる豊かな島とは、私たちだけが豊かであれば良いのでしょうか。
それは少し違うような気がします。
人も生態系の一部。
自然のサイクルが循環していく生態系の中で、人々はまわりの自然と深く関わりながら暮らしを営んできたはずです。
ところが、時代が進むにつれ、森が開かれ建物が建ち、海は埋め立てられ新しい陸地になり、島の動植物にとっては暮らしづらい島になってしまっているのかも知れません。
島の中央付近には希少な自然林が密集する大野山林があり、貴重な動植物の生息地となっていますが、近年、不法投棄ゴミなどもあり山林への影響が懸念されています。
また、池間島の池間湿原は、国の天然記念物キシノウエトカゲ等の生息地で、渡り鳥の飛来地としても知られていますが、島が発展していく中で湿地帯の減少していき、生態系はずいぶん、変わってしまったと考えられています。
エコアイランド宮古島の新しいビジョンでは、島の生態系をあらためて調査をして、保護の方針を定めることで「人と動植物が共生する豊かな島づくり」にも取り組みます。
また、島内で動植物の保護に取り組んでいる団体と連携をして、島民や事業者・観光客のみなさんに、島の生態系をご紹介するイベントなどを企画します。
「人と動植物が共生する豊かな島づくり」をみなさんと共に取り組みたいと、わたしたちは考えています。