Message from ecoislandエコアイランド通信
食と環境問題を同時に考える〜みどりの食料システム戦略〜
「みどりの食料システム戦略」は、日本の食料・農林水産業の生産力向上と環境保全を同時に達成するための国家戦略です。
持続可能な資材やエネルギーの調達、地域資源の活用、環境負荷の軽減などが含まれるこの戦略は、2040年までに革新的な技術・生産体系を順次開発し、2050年までにカーボンニュートラルな食料システムの実現を目指しており、エコアイランド宮古島の考え方にとても近いところが多い政策なのです。
地球温暖化の影響で、日本の年平均気温は過去100年で1.30℃上昇し、特に1990年以降は高温が頻発しています。この気温上昇は農業にも深刻な影響を及ぼし、高温による水稲の品質低下やリンゴの着色不良が報告されています。
また、降雨量の増加により災害の激甚化が進み、農林水産分野でも被害が増加しており問題となっています。
さらに肥料ですが、日本では化学肥料の原料の大部分を輸入に依存していますが、肥料の過剰使用は土地や地下水に悪影響を及ぼすことが懸念されています。
化学肥料の使用は、土壌の酸性化や地下水の汚染を引き起こし、持続可能な農業を妨げる要因となっています。
これに対し、「みどりの食料システム戦略」では、化学肥料の使用を削減し、代替資源の利用を推進しています。
それでは、「みどりの食料システム戦略」の具体的な取り組み内容を見ていきましょう!
例えば、食品残渣や汚泥から肥料成分を回収・活用する技術開発が行われています。また、高性能な農業機械の導入やスマート農業技術の普及も推進されており、これにより生産性と環境負荷の低減が図られるとしています。
有機農業の拡大も重要な目標の一つです。戦略では、2030年までに耕地面積に占める有機農業の割合を25%!!に引き上げることを目指しています。これにより、化学肥料や化学農薬の使用を減らし、より健康で環境に優しい食料生産を実現します。
持続可能な農業の実現には、テクノロジーの活用が不可欠です。スマート農業技術は、土壌や気象データを基にした精密な農業管理を可能にし、資源の無駄を減らします。また、ドローンやAIを活用したピンポイント農薬散布や病害虫防除の技術も開発されており、これにより化学農薬の使用を大幅に減らすことが期待されています。
宮古島では、海洋汚染やサンゴの減少、地下水の保全といった環境問題が顕著です。
海洋汚染は、農業廃水や家庭排水が原因であり、サンゴの減少に直接影響を与えています。サンゴは、海洋生態系の重要な部分であり、その減少は生態系全体に深刻な影響を及ぼします。また、宮古島の地下水は限られた資源であり、農業や生活用水としての利用が続いていますが、過剰な利用は地下水の枯渇を招く恐れがあります💧
「みどりの食料システム戦略」は、こうした地域の問題にも対応するための道筋を示しています。地球温暖化や肥料の問題に対処しながら、革新的な技術を導入することで、食料生産の安定性と環境保全の両立が可能となります。私たち一人一人がこの取り組みに関心を持ち、持続可能な未来を目指すことが重要です。
宮古島の農業の未来は、この戦略によって大きく変わる可能性があります。まずは身近な環境問題に目を向け、日々の生活の中で持続可能な選択をすることで、島と共存する持続可能な社会の実現に向けて共に考えアクションを起こしていきましょう!