千年先の、未来へ。

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Message from ecoislandエコアイランド通信

2025.07.22
せんねんプラットフォーム

宮古島の未来を市民とともに描く「宮古島千年プラットフォーム」にインタビュー!

エコアイランド通信でも何度かご紹介していますが、今年度から本格始動した一般社団法人 宮古島千年プラットフォームの理事の皆さんに改めてお話を伺ってきました!

宮古島千年プラットフォームとは?

「千年先の、未来へ。」

これは、エコアイランド宮古島宣言2.0のスローガンで、宮古島市が掲げる持続可能な島づくりのビジョンです。
この理念のもと、地域社会の課題に真正面から向き合う官民共創型の組織として設立されたのが「一般社団法人 宮古島千年プラットフォーム」です。

官民双方の知見、人材、資源を活かしながら、行政・市民・民間企業など多様な主体と連携し、それぞれが得意なことを活かした環境づくりや、各主体をつなげる役割として地域の持続可能性を高めることを目的としています。

分野や立場を越えて人と人がつながり、悩みやアイデアが自然と共有されるような、風通しの良い地域社会の土壌づくりにも取り組んでいます。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社や株式会社りゅうぎん総合研究所など外部の知見も活用しながら、多角的な視点から地域の声を拾い上げ形にする、ローカルシンクタンクとしても機能させていく予定です。

ビジョン(何を目指すか)

「環境×経済×社会」の統合的な視点を持った地域の持続可能性=エコアイランド宮古島の実現を目指す

情報発信・収集、伴走支援、休眠預金活用等を通じた助成事業、課題整理~政策提言を通じたローカルシンクタンク機能をメインの事業とし、単なる「支援機関」ではなく、地域の声を丁寧に拾い上げ、解決に向けた“共創の場”を築くことが宮古島千年プラットフォームの目指す姿です。

ミッション(何を行う組織か)

①宮古島市の良さや課題を自ら考えて判断し行動しようとする市民を官民共創で応援する

  • 行動している市民の想いに共感し、関わる人を増やす
  • 市民発意の事業の伴走支援を行い、持続可能性に寄与する事業を生み出す
  • よりよい宮古島市を目指して行動する市民の総数を増やす

具体的な支援内容:

  • 言語化支援:想いや活動目的を“伝わる形”に整理
  • 情報提供:必要な知識や先行事例の紹介
  • ネットワーク構築支援:地域内のつながりを紹介・強化
  • 相談・仲介:行政や地域団体との橋渡し
  • 資料作成支援:企画書や申請資料の作成サポート
  • 広報支援:SNSやメディアを活用した活動の周知

②持続可能性に影響を及ぼす地域の課題を発見し、市全体で解決するための政策提言や取り組みを実行する

  • 市民の声を集めて整理し、持続可能性に係る課題を分析する
  • 市民のニーズに基づいて、必要な事業(政策提言や情報発信等)を実施する

具体的な活動内容:

  • 地域訪問・ヒアリング:自治会や住民から直接話を聞く
  • アイディアの種の発見:地域の声を整理し、解決への芽を見つける
  • 課題や資源のマッピング:宮古島の地図に情報を可視化
  • 好事例の横展開:他地域での解決策を別の地域へ応用

手段(どんな機能を持つか)

①情報発信・収集・ワークショップ等

  • 市民・団体・議員などの対話の場(ワークショップや報告会)を定期的に開催し、「市全体のありたい姿」をともに描く活動

②伴走支援

③助成事業等(市補助金等の活用支援・将来的な休眠預金の活用等)

④課題収集〜整理・政策提言(ローカルシンクタンク)

過去の活動実績例

宮古は日ごとにキレイになっている!」の発起人(管理人)、佐々木有希さん

もともと佐々木さんは、個人としてゴミ拾い活動に取り組んでいました。
その目的は、単なる清掃ではなく、「市民の意識を変えること」でした。
環境問題に対して、もっと多くの人が主体的に考え、行動できるように、そんな思いから活動を続けてきました。

しかし、佐々木さんは自分の活動をどうプロジェクトとして表現すればよいかという点に悩んでいました。
千年プラットフォームの存在を知り、自身の想いや取り組みと親和性が高いと感じたことから、本法人を通じての活動の展開を決意したそうです。

そこで、活動内容や状況に応じて、以下のような柔軟なサポートが行われました。

● 言語化支援:思いを「伝わる言葉」に

佐々木さんの想いやビジョンを、他者に伝わりやすい言葉へと整理する支援を実施。
悩みや課題の整理と解決に向けた対話を重ね、その結果、外部への発信がよりスムーズになり、共感や協力を得やすくなりました。

● 活動の広がりを後押し、共感者・協力者の獲得

行政とも連携しながら、SNSや宮古テレビなどのメディアを通じて、活動の魅力や背景を効果的に発信。
認知度が高まり、仲間が増えることで活動の継続性や広がりが強まりました。
清掃協力やイベント参加など、ゴミ拾い活動は市民参加型へと進化しました。

● キーパーソンとのマッチング

地域の子ども会や自治会、団体など、既に地域で信頼されている人々を紹介し、連携を促進。
活動の信頼性と影響力を高めることにもつながりました。

せんねんトーク@学校という企画で宮古島市立平良中学校の生徒に向け講義を開催しました。

最後に、理事長の久貝さんは、次のように語ってくださいました。


かつて、宮古島には、島に生きる人たちが何十年、何百年とかけて描いてきた「一枚の絵」がありました。
それは、日々の暮らしの中で大切に育まれてきた地域の姿であり、苦労を重ねながら丁寧に積み上げてきた“私たちの島”の物語でした。
その絵は、訪れる人たちに「すばらしいね」「こんな島で暮らしてみたい」と言わしめる、誇りあるものでした。

しかし近年、外部からの資本や新しい価値観の流入により、島の風景や暮らしのあり方にも変化が見られるようになってきました。
これらの動きは新たな可能性をもたらす一方で、地域の文化や景観との調和が問われる場面も増え、長い年月をかけて丁寧に描かれてきた宮古島の風景が少しずつ塗りつぶされていくような、島本来の姿が見えにくくなってきていると感じる声もあります。

とはいえ、今のままの絵を、ただ守っているだけでは次の世代に向けた新しいつながりや希望を生み出すこともできません。
描き直さなければいけない部分も、確かにあるのです。

だからこそ今もう一度、市民一人ひとりが「筆」と「色」を手に取り、自分たちの手で島の未来を描き直していくことが求められています。
市民プロジェクトに参加する人、地域活動に協力する人、声を上げる人、それを支える人、
それぞれが小さな色を持ち寄りながら、また新しい宮古島の絵を、丁寧に、そして誇りを持って描き直していく。

宮古島千年プラットフォームはそのための「キャンバスの地塗り」を担う存在であり、市民が安心して筆をとれる場を、用意する団体でありたい。

地域への誇りを持ち、課題に気づいたときに自分ごととして行動できる市民を増やしたい。
そして、文化・営み・風景を「未来に渡す価値」として残していきたい。
それが我々が目指す未来です。