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2024.09.09
特集記事

宮古馬に会いに行こう!〜宮古馬放牧場スタートアップ事業〜

宮古島の東沿岸部、城辺エリアに位置する「宮古馬放牧場」をご存じでしょうか?

沖縄県の天然記念物に指定され、文化財としても貴重な存在である宮古馬たちと触れ合える施設があるということで、さっそく放牧場へお邪魔してきました!

今回は、宮古馬放牧場スタートアップ事業を手掛ける宮古島市教育委員会の久貝さんと、放牧場でガイドを務める森さんにお話を伺いました。

見学案内では、宮古馬に関する展示物が揃う事務所でレクチャーからスタート

宮古馬は、日本に生息する8種類の在来馬の一種で、とても貴重な存在です。1940年代には飼育数が1万頭を超えていた宮古馬ですが、戦後の農業拡大により馬の大型化が求められ、雑種化が進んだことにより、純粋な宮古馬の数は急激に減少してしまいます。

1977年に全島調査が行われ、純度の高い宮古馬14頭を確認。その後、保存に向けた動きが強まり、1980年には宮古馬保存会が結成されました。徐々に宮古馬の数は増加し、現在では48頭が正式に宮古馬として登録されています。(※2024年5月時点)

2023年度より、一括交付金を活用した2年間のスタートアップ事業として宮古馬放牧場が設立され、見学案内を開始しました。宮古馬放牧場は、絶滅の危機に瀕している宮古馬を保護し、その存在価値を広く伝えることを目的としています。

宮古馬放牧場は、馬たちがのびのびと生活しながら健康と繁殖を促進する場を提供するだけではなく、今後の宮古馬の利活用の可能性を広げ、その持続的な保護と活用を目指す上でも重要な役割を担っています。

餌やり体験では、グイグイと草を引っ張る馬たちの力強さにびっくり!

宮古馬の体高は約120cmほどで、その小柄で頑健な体格と穏やかな性格から、観光や教育の分野で大きな可能性を秘めているとのこと。観光資源としては、宮古馬との触れ合いや乗馬体験を通じて、訪れる人々に癒しと楽しみを提供することが期待されています。

実際に訪れたゲストの反応も上々で、すっかり宮古馬の虜になる方も多いのだとか。宮古馬に会うために、ご家族で宮古島を訪れるヘビーリピーターさんも複数いらっしゃるとのこと!

また、宮古馬を題材にした教育プログラムは、子供たちに自然環境の大切さや動物愛護の精神を教える絶好の機会となります。宮古馬は間近で見ても圧迫感が少なく、老若男女、障害の有無を問わず、親しみやすいことも大きな魅力の一つではないでしょうか。

ガイドの森さんと宮古馬たち

宮古馬放牧場では現在、雄馬6頭、牝馬5頭の計11頭が飼育されています。ガイドの森さんによると、宮古馬放牧場で暮らす馬たちにはそれぞれ個性があり、活発で好奇心旺盛な馬や、少し控えめな性格な馬もいるとのこと。説明を聞きながら馬たちの様子を眺め、餌やり体験をしていると、だんだんと個体差が見えてくるのが面白い!

放牧場では、訪れる人々に愛嬌たっぷりな姿を見せながら、親しげに近寄ってくる宮古馬たちの姿が印象的でした。雨の日も風の日も、心を込めて宮古馬の飼育管理にあたっているボランティアスタッフやガイドスタッフの皆さんの姿からは、宮古馬たちとの深い信頼関係が垣間見えます。この温かな絆が、宮古馬の健やかな成長と持続可能な未来を支えているのだと感じられました。

引き馬で使用するための馬場

放牧場の維持管理や宮古馬の健康管理には、多大な費用がかかります。馬たちの餌代だけでなく、宮古馬が安全に暮らせる施設の構築や飼育管理スタッフの確保、そしてゲストが安全に楽しめる環境を整えるための継続的なトレーニングなど、必要なコストは多岐にわたります。

担当の久貝さんは、「今後は餌やり体験の他にも、乗馬や引き馬などの体験を提供するなど、宮古馬の利活用の可能性を広げながら、事業の拡大を目指したい」と今後の展望について話してくださいました。

また、ガイドの森さんからは「宮古島には海以外にも、宮古馬という貴重な存在と触れ合える環境があります。ぜひ多くの方に訪れていただき、宮古馬の魅力を知ってほしいです。きっと宮古馬のファンになると思います!」とのメッセージをいただきました。

間近で触れ合う事でしか分からない魅力がたくさんあるため、ぜひ一度宮古馬に会いに行ってみてはいかがでしょうか?愛嬌たっぷりの宮古馬たちが迎えてくれますよ〜

■宮古馬放牧場
宮古島市城辺字長間1891−1
090−9781−6977

※見学は無料
※電話での事前予約制
※見学時間:①10:00~10:45 ②11:00~11:45 ③13:00~13:45 ④14:00~14:45
※休園日:月・火・祝日・年末年始(12月28日〜1月3日)