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サステナブル購買行動調査2024〜10代と70代が示す意外な共通点〜
少し前に「生活者のサステナブル購買行動調査2024」が発表され、2024年2月26日~27日の期間、全国16~79歳の男女計5,158名を対象にインターネットを通じて実施されました。
私たちの社会がどのようにサステナビリティを捉え、実践しているのかを浮き彫りにする内容だと思い、ご紹介します。
・社会行動実践度の上昇
調査によれば、社会や環境のためになる行動をどの程度実行しているかを測る「社会行動実践度」は、昨年の5.15点から5.28点に上昇し、過去最高を記録しました。この結果は、多くの人々が日常生活で社会貢献を意識するようになっていることを示しています。特に、物価上昇や経済的不安が高まる中で、日常の小さな行動が持つ重要性に気づく人が増えていると言えるでしょう。
・意外な共通点を持つ10代と70代
この調査で特に注目すべきなのは、10代と70代の世代が特に高いサステナブル意識を示している点です。10代は、学校教育を通じてSDGsの内容をしっかりと理解しており、社会購買・行動実践度も高い結果を見せています。また、70代もまた、長年の生活経験からか、サステナブルな購買行動や社会行動に高い関心を持っています。
しかし、ここで興味深いのは、10代の多くが「エコ疲れ」を感じているという点です。これは、持続可能な行動に対する高い意識が逆にストレスとなり、負担を感じるようになっていることを示唆しています。この点については、サステナビリティの重要性を理解しつつも、過度なプレッシャーを感じないような施策が求められると考えられます。
・購買行動のトレンド:ミニマル、ロングライフ、サーキュラー
調査結果は、購買行動の中で「ミニマル(最小限)」「ロングライフ(長期的)」「サーキュラー(循環)」に関連する行動が引き続き上位にランクインしていることを示しています。特に、売上の一部が環境や社会のために寄付される商品を購入する行動が増加しており、全体の4割を超える結果となりました。これに加えて、10代では「不要になったがまだ使えるものを他人にあげたり売ったりする」という行動が顕著であり、これが資源の循環を促進する重要な要素となっています。
・世代間の意識差の背景
10代と70代という、年齢的にかけ離れた世代がなぜ高いサステナブル意識を共有しているのかは興味深い問題です。10代は、SDGs教育が学校で取り上げられ、環境問題に対する知識が深まっている一方で、70代は、戦後の経済発展とその環境影響を実際に経験し、持続可能な社会の重要性を身をもって感じている世代とも言えます。これにより、異なる動機でありながらも、共通の意識を持つに至っているのかもしれません。
・今後の課題と展望
今回の調査結果は、私たちが持続可能な未来を目指す上での大きなヒントを提供しています。特に、「エコ疲れ」への対策や、世代間の意識差を埋めるための施策も求められるでしょう。また、企業にとっては、これらの結果を踏まえたサステナビリティ戦略の再考が求められるかもしれません。私たち一人ひとりが、持続可能な社会に向けてどのような行動を取るべきか、今一度考える良い機会となるでしょう。