伝統工芸と最新技術でエコな暮らし「かたあきの里」
2018.3.20宮古島の中心部に位置する赤瓦屋根の木造住宅群「かたあきの里」
沖縄の家といえば、石垣に囲まれた赤瓦の木造の平屋を想像する人も多いかと思います。
しかし、宮古島では台風とシロアリ対策のため、木造建築は時代の流れと共にどんどん減っていきました。
現在の街中では、頑丈そうな鉄筋コンクリートの建物の方が断然多く見かけます。
そのような時代背景の中で、株式会社かたあき 代表の下地一雄さんは「観光客が少ない20年前から、島の良さを感じられる赤瓦の集落をつくり、宿泊施設として島の観光に役立てたい」と考えていたそうです。
かたあきの里には芝生広場を中心に石垣に囲まれた7棟の赤瓦住宅が立ち並び
どこか懐かしい雰囲気が漂う小集落の造りになっています。
この石垣には表面温度の上がりにくい琉球石灰岩が用いられています。
琉球石灰岩は無数の細かい穴が空いた構造が特徴で、コンクリートと比べると吸水性も抜群です。
沖縄の強い日差しを浴びても素手や素足で触ってもそれほど熱くありません。
建物自体には高温多湿に適した、沖縄ならではの古民家にみられる伝統的な間取りやディティールが採用されており
真夏でも風通しがよく、熱がこもらない設計となっているようです。
こちらは室内の熱気を屋根から排出する伝統工法の息道(イーチミー)通風口。
現代のような断熱材や冷房器具もない時代に工夫して作られただけあって、確かに理に適った造りとなっています。
先人たちのアイディアや知恵は、現代でも十分通用する優れたものだということが分かります。
実際に宿泊体験も可能で、住宅設備にはLED照明器具やIHクッキングヒーター等の先進の省エネ設備が整っています。
伝統技術と最先端の技術が組み合わさったハイブリッドな建物なので、自然を感じつつも快適に過ごすことができます。
更に現在では、エコキュートや家庭用蓄電池、太陽光発電システムなどを用いて
電気・ガスの抑制効果を実証するエネルギーマネジメントの実験も進んでいます。
近くには大野山林や、植物園などがある緑が豊かな場所なので四季折々の動植物を愉しむこともできます。
今では国内外の宿泊客がリピーターとして訪れたり、結婚披露宴など地域の人びとが集まる場所にもなっているようです。
是非、宮古島を訪れた時には遊びに行ってみてください。市街地とはまた違った雰囲気が味わえますよ(^^)