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持続可能な島暮らしを求めて

2017.11.24

宮古島と地下水

宮古島は水に苦しんだ歴史があります。
もともと宮古島は珊瑚が隆起してできた島で、保水力に乏しい地質となっています。
山や川もなく水の確保が難しかったのです。
現在では地下ダムが完成し飲料水・産業用水は100%地下水に依存しているという状況です。
宮古島総合実業高校の島ラボ部では長年に渡り地下水の研究をしてきました。

 

 

島ラボ部の取り組み

島ラボ部の研究により地下水が危機的状況で汚染されていること、
汚染の原因は主に土壌に含まれる化学肥料であることが判明しました。

急激に普及した化学肥料の使用を少しでも減らそうと、有機質肥料の開発に取り組み
「有機質肥料バイオ・リン」を開発し普及させることで地下水保全を行ってきました。
それだけには留まらず、サトウキビ栽培後の残留肥料が問題となっていることに着目し
サトウキビ栽培の収穫から播種までの間の空いた土地を利用し地下水保全を行いながら作物を栽培する方法も検討しました。
色々試すも宮古の土地では育てることができなかったり肥料を与えないと育たなかったり、台風の時期に重なったりと
問題がたくさんありました。そんな問題を解決したのが「日本蕎麦」だったのです。
「日本蕎麦」は約3ヶ月で栽培が可能であり、地下水汚染の原因である硝酸態窒素を吸収利用していることが判明しました。

 

 

日本蕎麦のもつ可能性

宮古島で日本蕎麦屋を営む 食菜かま田の鎌田賢さん
お店で手打ちそばを提供するだけではなく、栽培にも関わっています。

宮古島産日本蕎麦を栽培するメリットはたくさんあります。
休耕地の利活用はもちろん、農家さんの収入増も見込めます。

食料自給率のアップや新しい名産品として地域活性化にもつながりますし
それだけではなく、宮古島には欠かせない地下水の保全にも効果があることが分かっています。
残った蕎麦を緑肥にすることもできます。

 

 

持続可能な島暮らし

どうしても今の便利な生活が当たり前になってしまいますが
水道から水が出ることは当たり前ではないですし
食べ物がいつでも手に入ることも、本当は当たり前ではないです。

当たり前であることに感謝し、当たり前であることを守っていくために
宮古島での豊かな暮らしや自然を「千年先の人達にも受け継いでほしい」
そんな想いのバトンタッチを島全体で取り組んでいきたいですね。

 

 

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