自然エネルギーで電力イノベーションを!ハチドリ電力の新しい電力のカタチとは?
2020.10.16家庭からのCO2排出量のうち、約5割が火力発電からきているということを知っていましたか?
「自然エネルギー」と聞くと、
なんだかよくわからない・・・
といった印象をお持ちの方も少なくないと思います。
そのような疑問に応えてくれる分かりやすい事例はないかと考えていたところ、ハチドリ電力のことを知り「これはおもしろい!」と思い取材をお願いしました。
そして今回、自然由来の電気を供給する「ハチドリ電力」の運営責任者である小野悠希さん(お若い!!)に地球温暖化についてや自然エネルギーについて取材させて頂きました!
小野さんがハチドリ電力を立ち上げたきっかけとなったのは、冒頭でもお話した、「家庭からのCO2排出量のうち約5割が火力発電からきている」ということを知ったことでした。
元々、地球温暖化への強い危機感があり、「何かしないと!」という気持ちが強かった小野さんは、自然エネルギーを多くの方に届けるべくハチドリ電力を立ち上げました。
「電力」はインフラの一部のため、周囲の方々や電力を届ける消費者からの信用が非常に大切になってきます。
特に電力業界は専門的な分野のため、電力に関しての専門的な知識を持っているプロに話を聞きながら立ち上げるのが大変だったそうです。
ほか多くの電力会社も、自然エネルギーにシフトしているところですが、自然エネルギーは30%だったり3%といった割合でのプランを併用しているところがほとんどです。
なぜなら、自然エネルギーはどうしても価格が高くなってしまうから。
そんな中、ハチドリ電力が「自然エネルギー100%」にこだわっている理由は、「環境問題」に注目して欲しい、という強い想いからでした。
「自然エネルギーは電気代が高くなりそう・・・」というイメージがある方も多いと思いますが、ハチドリ電力が供給する電力は通常の電気代に比べて料金が安くなることもあるそうなんです。
なぜ、安い価格で自然エネルギー100%が実現できるのでしょうか?
それは、多くの電力会社とは違う料金モデルを取り入れているからです。
ハチドリ電力では、電気代とは別に月額500円を会費として回収しています。
その代わり、電気代には利益は全く上乗せしないという料金モデルを採用しています。
月額料金のため、3人以上の世帯や、会社など使用量が多い方には特にメリットが出やすい仕組みとなっています。
なにより価格が抑えられている理由として、ハチドリ電力の利益はほぼ事業の継続のために使っていることが挙げられます。
「必要以上に利益を上げようとしない」というスタンスが、自然エネルギーの低価格を実現しているということですね!
また、ハチドリ電力の大きな特徴の1つ。
電気代の一部が社会活動に寄付される仕組み、さらに自分で支援団体が選べる取組を実施されているんです。
生活に必要な電力をハチドリ電力から供給してもらうことで、社会活動の貢献にもつながるのはとても素晴らしいシステムですね。
小野さんがハチドリ電力を立ち上げたきっかけは、冒頭でもお話しした「地球温暖化を改善したい」という想いと、もうひとつ「社会活動をしているひとたちにお金がまわる仕組みをつくりたい」という想いもあったそうです。
実際、意識的に「寄付をする」となると、気が重いというひとは少なくないと思います。
「寄付」と聞くとアーティストや芸能人が行うイメージがあったり・・・。
それだけではなく、寄付する側の負担が大きいといった問題もあります。
その点、ハチドリ電力では毎月電気料金の1%が寄付される仕組みとなっているので、負担がなく社会貢献活動の支援ができる仕組みとなっています。
「電力を使うことで社会活動の貢献ができる」という仕組みをつくることで無理せず寄付ができるのはありがたいですよね。
しかし・・・
日本では、自然エネルギーや再生可能エネルギーの普及がなかなか進まない、というのが現状です。
どうすれば、「電力を自然エネルギーに」という選択肢が広がるのでしょうか?
「まずは、自分の家の電力は何を使っているのか?どこの会社を使っているのか?を知ることが大切です。
オランダやスウェーデンでは環境への意識が高く、多くの国民が使用する電力を選択しているのですが、日本ではそういった知識がないし浸透もしていません。
課題なのは、「電力を変えたい」と思っているひとが少なすぎるということ。
そもそもインフラの一部である電気について真剣に考えているひとも、意識して電力を変えようと思っている人も少ないのが現状です。
だからこそ、そういった人々に地球温暖化の現状を知ってもらうことから始めたいと思っています。
そして、ハチドリ電力が“一番安い自然エネルギー”であれば、インパクトがあるので自然と全体に自然エネルギーが浸透していくと思うんです。」
ハチドリ電力では広告を出す予定がないので、その分アンバサダーの方に協力をいただいたり、口コミを通して広めていく活動にも力を入れていくそうです。
最後に小野さんに、ハチドリ電力の今後の目標についてお聞きしました。
「今後の目標も含め、やりたいことがたくさんあります。
まずは、自然エネルギーの需要を伸ばしていきたいと考えています。そして需要を伸ばしていったあとは供給量を増やすことにも力を入れていく予定です。
最終的には火力発電を減らし、町単位で電力を回していく仕組みを作りたいと思っています。個人は屋根などで自家発電、自家消費をして、足りなくなった分を町の発電所で補う・・・といった“マイクログリッド”を実現していきたいのです。
そうすることで街の経済も活性化するし、いい循環のある流れをつくっていくのが目標です。」
ハチドリ電力では、電気代とは別に売上の1%をハチドリ基金として積み立てており、その基金を、発電所を増設するために使いたいと考えているそうです。
そして、予定では来年、沖縄に必ず進出したい!とお話してくださいました。
「自然エネルギー」を取り入れることによって、地球にもやさしく、経済も活性化し、社会活動の貢献にもつながる・・・という理想的な循環が生まれる素晴らしい取り組みだと思います。
また、「町単位で電力を回していく仕組み」というのは宮古島のような離島にも欲しいエコシステムではないでしょうか。
もうすぐ、来間島でマイクログリッドの取り組みが始まりますが、編集部も取材を続けていきたいと思います!
“千年先の、未来へ。”持続可能な島を守っていくためにも、「自然エネルギー」が少しづつでも取り入れら始めると良いのかも知れません。
ハチドリ電力のますますのご活躍をお祈りしております!!
小野さん、お忙しいところ取材させていただき本当にありがとうございました。