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宮古島の希少種保全・外来種問題について考える

2019.10.15

少し前になりますが、9月3日に市クリーンセンターで行われた宮古島の希少種保全・外来種問題(イタチ、クジャク)に係る連絡会議の取材へ伺いました。

 

突然ですが、みなさんは「ミヤコカナヘビ」って知ってますか?

今年の6月10日、沖縄県の天然記念物に指定されたことが新聞をはじめとするメディアで多く取り上げられたので、名前を目にした方も多いと思います。

 

では、「ミヤコカナヘビ」をみたことありますか?

そう言われるとメディア以外では見たことないと思う方が多いと思います。

それは、「ミヤコカナヘビ」が絶滅危惧種に指定されるほど数が減っているからなんです。

 

ちなみに「ミヤコカナヘビ」はこちらです。ヘビとつきますがヘビではないのです。
雄・雌ともに全長が約30㌢ほどで、尾が体長の約75%を占めているのが特徴だそうです。

この連絡会議では、「ミヤコカナヘビ」の生物的価値についてや住処や食べ物、生態系の調査についてなどを国、県、大学などの専門家の皆さんが発表しました。

「ミヤコカナヘビ」を調査すると、40万年前以前から生息する種であることが分かったのですが、その頃の宮古島は、まだ陸地ではなく海の中でした。

宮古島が海没状態だったのなら生息できないはずのミヤコカナヘビがなぜ宮古島にいるのか?という疑問が出てきます。

こちらまだ解明されていないのですが、昔々の宮古島の環境や地理などの歴史を振り返る上でも重要な生き物となるんですよ~。

 

連絡会では、宮古島市役所環境政策課の守武さんから「ミヤコカナヘビ」を捕食している可能性のあるクジャクやイタチなどの生息が確認されていることも報告されました。

クジャクやイタチなどの外来種が宮古島の生態系を崩す可能性があり、固有種が絶滅する危険があるのです。

その為に宮古島市では、クジャクやイタチをはじめとした外来種の駆除に取り組んでおり、具体的な活動状況が報告されました。

現状では、まだ具体的なミヤコカナヘビの保護策はないのですが、保全に向けてより実践的な次の段階に進むべき時期という考えが示されました。

 

この他にも過去の野外調査で生態や生息環境などについて詳しく分かったことや、宮古島以外で行う生息域外保全の取り組みで飼育での繁殖が可能な種であることが判明したそうです!

宮古高校の科学部さんが「ミヤコカナヘビ」に着目し、野外での調査やどれくらい昔からいたのかなどの調査をも行なっているんですよ~。

こう行った取り組みが浸透したら、そう遠くない将来、もしかしら島内の林には「ミヤコカナヘビ」が確認できるようになり、絶滅危惧種指定から外される日がくるかもしれないと思える時間でした。