不謹慎ながら美しかった
2019.12.18不謹慎ながら美しかった。
「 最近私の血液に漂うものはなんだろう。
この目を射る色はなんだろう。
この世の中にあるものが美しくないわけない。そんなはずはない。
だから、太陽に言ってわが身に似た色を施させてみた。
なぜこんなにひしめき合うのだろう。
この世の中にあるものがリズムを奏でないわけない。そんなはずはない。
だから、波に言ってわが身に似た形に配置させてみた。 」
シーズンオフの海岸。優しい色合いに退色したゴミたちが、波の形のまま並んでいた。ゴミはだめ。だめなのに、不謹慎ながら美しいと思ってしまった。
美しくないものがこの世に存在するわけがないという大自然の信念と、人間の愚かさまでも受け入れようとしてくれる寛容が切なく胸を打つ。
もう、これ以上彼らに甘えていてはいけない。
今年は台風が多い。
いかがでしたでしょうか。
この作品は、セソコマサユキさんによる市民ライター講座の受講生の矢納さんの作品です。
シーズンオフの海岸で見かけた風景から感じとった海の声。
ゴミすらも美しいと思わせてしまった自然の素直さ、寛容さと、
それに甘えいてる私たち人間。
その対比に思わずハッとさせられる作品でした。
素敵な記事をありがとうございます。