「千年先まで。」
2019.2.6セソコさんの講座(セソコマサユキさんに学ぶ市民ライター講座振り返り★)とフォローアップ講座(ゆくりば)(第一回/第二回)に参加した方の記事のご紹介、第七弾!
今回でこのシリーズは最後になります!
(第一弾「心の深呼吸at下地島17END」)(第二弾「十年みち~千年先の未来へ~」)(第三弾「緑陰」)(第四弾「おばーやーへの道」)(第五弾「のーまい にゃーん ぴすま」)(第六弾「タカラモノを育む地域」)
今回は、普段から写真を撮る事がお好きで宮古島の文化に関心が高い亀山さんの記事のご紹介です。
写真からも文章からも宮古島の女性の強さ、優しさを感じる事ができる内容です。
亀山さんの「千年先の、未来へ。」残したい宮古島の情景をぜひご覧ください。
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「千年先まで。」
島のおばぁはよく笑う。 楽しくても悲しくても、嬉しいときでも、辛いときだって笑っている。
島に来て、たくさんのおばぁの笑顔に出会い、元気をもらった。
子を産み育て、家族をまもってきたおばぁ。
この島を支えてきたのも、おばぁの笑顔の力だと思う。
いつもいつでもよく笑っているおばぁは、とても強い。
島の歴史を学ぶたびに、島のあたたかさを感じる。
それは、おばぁの明るさと強さがつくりあげてきたものではないだろうか。
ユークイの日。
一年間閉ざされていた御嶽への道が開かれる。
神聖な場所へと続くフクギの森の道。
一歩、足を踏み入れると空気の匂いが変わった。
この場所で、この地の人びとは島の平和を祈り、家族の平穏を願い、作物の豊穣を求めてきた。
一年、また一年と、繋いできた大切な想い。
時代が変わってもなお続く島の祭祀には、しきたりだけでなく、おばぁの思いが一緒に受け継がれていることだろう。
おごそかな空気の中で、神事が終わったとき、深い緑の木々の隙間から御嶽の中に光が射し込んだ。
まるで今年の‘ユウ’が約束されたかのように。
とたん、おばぁから笑顔がこぼれた。
滞りなく祈りをささげることができたことに安堵した笑顔。
これでまた一年、家族も島も豊かに過ごしてゆけるという感謝の笑顔。
この笑顔だ。
人びとを思う笑顔。この笑顔に島は守られている。
千年先まで、おばぁの元気な笑い声が響きつづける島でありますように。
亀山 明子